GoToキャンペーン | 個人的倉庫by源ガク

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「ゴートゥーか…」後藤は呟いた。
後藤桔平は広告代理店キットモットーの企画営業だった、今日も政府からの地域振興広告のキャッチコピーを考えていた。
「ゴートゥーヘブンいい気分」
「ゴートゥーヘル金次第」
「ゴートゥーリビングウォッチTV」
どれもこれもいまいちだった。
「このご時世に地域振興と言われてもなぁ」
後藤は苦心した、何せコロナで3密を避けて地域振興をしなくてはならない。
「密じゃない、密じゃない、密じゃない…過疎…いかんいかん、これではだめだ」
求められるのは高単価な地域振興だった。
「高単価、高単価、高密度…だめだみんな密を求めてる」
「密、密、秘密…秘密の不倫旅行、うん、だいぶましだが炎上しそうだ」
「高単価か、そう言えば昔、どっかの記事に、死に場所のインダス川まで旅をするインド人の事が載ってたな」
「閃いた!」
「安心・安全・安楽死…だめだな」
ここまで来て後藤は気がついてしまった、なぜ密に成るのかを、それは皆が行きたいところがないからだった。
「GoTo好きなところ、好きなところが無いのか、そう言えばそうだな、お金を使える個人的なところ、そんな場所はなかなかない、どうも旅行と密は切っても切れない間柄のようだ」
後藤は、煮詰まり「りょっこらせ」と言った…