十字架とニンニク | 個人的倉庫by源ガク

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遠い昔から、僕は十字架とニンニクが嫌いだった。
「十字架が好きなやつなんているか?」
誰かとの会話…
「大体、何で磔の刑の象徴を皆ありがたがるんだ?」と僕が言うと誰かは
「それは、キリストが全ての人の苦しみを背負って天に登られたからだよ」と言った。
「成る程、成る程、じゃあ皆、全ての人の苦しみを背負って、天に登りたいんだな」

ニンニクは、免疫を高め菌に対抗する。
しかるに僕は、いつも菌のように増殖する欲望と共にある。
誰かとの会話…
「ニンニクは何であんなに口が臭くなるんだろう?」と僕が言うと誰かは
「菌が殺られて死臭が漂うんじゃないか?」と適当な事を言う。
「じゃあ、ニンニクを食べるより、お前を食べる方がいいな」

ムシャムシャムシャ、僕は誰かを食べてしまった。
とても清潔な気分だ、なんと言っても綺麗さっぱり骨まで噛み砕き跡形もない。
菌のような欲望が増殖する。

「おお神よ我を讃えたまえ、また1つの苦しみをこの世から消し去りました」

菌のような欲望がとの会話…
「あと一人で3761人」と僕
「ふふふ、あと一人ですね」と菌のような欲望
「最後の一人は」と僕
「お前だーー!」と菌のような欲望が言った。

僕は菌のような欲望に食べられてしまった。

もうすぐ、全てを浄化する日が上る。