厄年とは何か|前厄・本厄・後厄の意味と厄祓いを受ける時期

厄年とは、人生の中で心身や生活環境に変化が起こりやすい年齢を、古くから慎んで過ごしてきた日本の習慣です。

厄年という言葉から、不幸が必ず起こる年、悪いことが続く年という印象を持つ方もいます。しかし、厄年に入ったからといって、災難が必ず起こるわけではありません。

神道における厄年は、自分の心と身体、暮らし方、人との関わりを見直し、神様の御前で一年の平穏を祈る人生の節目と捉えることができます。

神社本庁では、厄年について、体力面、家庭環境、社会的な立場などにおいて転機を迎える時期であり、体調不良や災難に注意して慎む年齢として説明しています。厄年は単なる迷信として片づけるものではなく、生活の変化が重なりやすい年代に、自分自身を整えるための人生儀礼として受け継がれてきました。(神社本庁)

厄年は災いを恐れるための年ではない

本来の厄年には、災いを恐れて何もせずに過ごすという意味はありません。

厄年を迎える年齢は、仕事上の責任が増えたり、結婚、出産、子育て、親の介護、住環境の変化などが重なったりしやすい時期でもあります。若い頃とは体力や疲労の回復にも変化が現れ、無理を続けることで心身の不調に気づくこともあります。

そのため、昔の人々は特定の年齢を人生の節目として定め、普段以上に身を慎み、健康や生活を見直し、神様の御加護を願いました。

厄年は、自分を脅かすための年ではなく、これまでの歩みを振り返り、これからの生き方を整えるための機会です。

男性と女性の厄年

一般的な厄年は、満年齢ではなく数え年で判断します。

男性の本厄は、数え年で二十五歳、四十二歳、六十一歳です。

女性の本厄は、数え年で十九歳、三十三歳、三十七歳とされています。神社や地域によっては、女性の六十一歳も本厄に含める場合があります。

なかでも男性の四十二歳と女性の三十三歳は、大厄として広く知られています。(神社本庁)

ただし、厄年の年齢や考え方には地域差があります。十三歳、四十八歳、七十七歳などを厄年として扱う地域や神社もあるため、厄祓いを受ける際は、参拝する神社の厄年表を確認することが大切です。(斗瑩稲荷神社)

数え年とは何か

数え年とは、生まれた時点を一歳とし、新しい年を迎えるごとに一歳を加える、かつて日本で広く使われていた年齢の数え方です。

一般的には、その年の西暦から生まれた年の西暦を引き、さらに一を足すと数え年になります。

数え年 = 現在の西暦 − 生まれた年の西暦 + 一

たとえば、二〇二六年に一九八五年生まれの男性は、二〇二六から一九八五を引いて一を足すため、数え年四十二歳となります。

厄年表は神社によって表記や区切り方が異なることがあるため、自己判断だけで決めず、御祈祷を申し込む神社へ確認すると安心です。

前厄・本厄・後厄とは何か

厄年は、本厄だけで終わるものではなく、前後の三年間を一つの期間として考えます。

前厄は、本厄に入る前年です。生活や心身に変化の兆しが現れやすい時期として、慎重に過ごします。

本厄は、厄年の中心となる年です。健康管理や事故防止、人間関係、仕事上の判断などに普段以上の注意を払い、神社で厄祓いを受ける方も多くいます。

後厄は、本厄を終えた翌年です。厄が完全に終わったと急に気を緩めるのではなく、生活を整えながら一年を過ごす期間と考えられています。

前厄、本厄、後厄を合わせた三年間は、災いに怯える期間ではありません。無理を控え、心身を清らかに保ち、一日一日を丁寧に積み重ねる時間です。

男性四十二歳と女性三十三歳が大厄とされる理由

男性の数え年四十二歳、女性の数え年三十三歳は、大厄と呼ばれています。

四十二を死に、三十三を散々という言葉に結びつけて説明されることもあります。ただし、こうした語呂合わせだけが厄年の起源であると断定できる確かな資料は限られています。

より現実的には、男性の四十二歳前後は、仕事や家庭で大きな責任を担いやすい年代です。女性の三十三歳前後も、仕事、家庭、出産、育児など複数の役割が重なりやすく、心身の負担が増えることがあります。

厄年の年齢が定められた正確な起源には諸説あります。その一方で、人生の転換期に注意を促し、健康と平穏を祈る習慣として長く受け継がれてきたことは、神社の公式案内からも確認できます。(神社本庁)

厄年と役年の関係

厄年は、災厄を避ける年であると同時に、地域や社会の中で役目を担う年齢でもありました。

かつては、一定の年齢に達すると、神社の祭祀や地域行事、神輿、氏子組織の運営などに関わる機会が増えました。社会の中で責任ある役を担う年齢であることから、厄年を役年と結びつけて捉える考え方もあります。

つまり厄年は、弱くなる年というだけではありません。社会の中で新しい役割を受け、自分の力を人々のために使い始める節目でもあったのです。(神社本庁)

厄祓いとは何か

厄祓いとは、神社でお祓いを受け、災厄を遠ざけ、一年の平穏、健康、安全を神様に祈願する神事です。

一般的な厄祓いでは、神職が祓詞や祝詞を奏上し、大麻によるお祓いを行います。神社によっては、玉串拝礼を行い、御札やお守りが授与されます。

厄祓いは、未来の災難を確実になくすことを保証するものではありません。神様の御前で自分自身の生活を見つめ直し、慎みと感謝の心を持って新しい一年を歩むための祈りです。

御祈祷を受けた後も、健康診断を受ける、車の運転に注意する、無理な予定を減らす、睡眠を確保するなど、現実の生活を整えることが欠かせません。

神事による祈りと日常の行動を一つにすることで、厄年をより意味のある節目として過ごせます。

厄祓いはいつ受けるのか

厄祓いは、年の初めから節分頃までに受ける方が多く見られます。

旧暦では立春が一年の始まりとして意識されていたため、正月から節分までに厄祓いを受ける習慣が広まりました。

ただし、節分を過ぎたら厄祓いを受けられないという決まりはありません。誕生日、生活の節目、体調や心境の変化を感じた時など、年間を通して御祈祷を受け付けている神社もあります。(多井畑厄除八幡宮 公式ホームページ)

年の途中で自分が厄年だと気づいた場合も、遅すぎると考える必要はありません。参拝する神社へ受付時間や予約の有無を確認し、自分の都合が整う日に参拝するとよいでしょう。

喪中でも厄祓いは受けられるのか

身近な方が亡くなられた直後は、神社への参拝を控える忌中の期間があります。

一般的には、忌中を過ぎれば神社への参拝や厄祓いを行えるとされていますが、続柄、地域、神社によって考え方が異なります。喪中と忌中は同じ意味ではありません。

忌中に当たる可能性がある場合は、自己判断をせず、厄祓いを希望する神社へ事前に相談してください。

厄年に避けたほうがよいことはあるのか

厄年だからといって、結婚、出産、転職、引っ越し、開業などを一律に避けなければならないという神道上の決まりはありません。

人生には、その時にしか選べない機会があります。厄年だけを理由に、必要な決断をすべて止めてしまうことは、かえって後悔につながる場合があります。

大切なのは、焦りや勢いだけで決めないことです。契約内容を確認する、家族と話し合う、体調を整える、専門家へ相談するなど、普段以上に準備を重ねます。

厄年は、行動を禁止する年ではなく、行動の質を見直す年です。

厄年の過ごし方

厄年には、特別なことだけを求めるのではなく、日々の暮らしを整えることが大切です。

睡眠や食事を見直し、身体に異変があれば医療機関を受診します。自動車、自転車、仕事道具などは定期的に点検し、時間に余裕を持って行動します。

人間関係では、感情的な言葉や早急な判断を控え、相手の話を一度受け止めます。大きな契約や金銭の判断では、内容を書面で確認し、必要に応じて専門家の意見を求めます。

神棚がある家庭では、日々の感謝を申し上げ、御札や神棚の周囲を清潔に保ちます。神社へ参拝した際は、願い事だけを伝えるのではなく、今日まで無事に生かされていることへの感謝を申し上げましょう。

こうした小さな積み重ねが、厄年を穏やかに越えるための確かな備えになります。

厄年は人生を整えるための節目

厄年は、不幸を決めつける年ではありません。

仕事、家庭、健康、人間関係など、自分を取り巻く環境が変化しやすい時期だからこそ、一度立ち止まり、これまでの生き方を見つめ直します。

神社で厄祓いを受けることは、恐れを増やすためではなく、心の曇りを祓い、新しい気持ちで一年を歩み始めるための人生儀礼です。

災いを必要以上に恐れず、油断もしない。その両方の間に身を置き、祈りと現実の備えを重ねていくことが、厄年の本来の過ごし方ではないでしょうか。

厄年を迎えたことを、自分を守り、家族を大切にし、これからの人生を整える機会として受け止めてみてください。

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