私が病院に着くと彼は車いすに乗せられていた。

頭にはられた大きな絆創膏からは血が滲んでいた。

看護師さんが【血が随分出ちゃったね】と言いながら張り替えてくれた。

そして、【CTを取りに行ってきます。】と言って部屋から出て行った。

【えッ?なぜ、最初に救急搬送された時に撮らなかったの?】と驚いた。

頭を打ったいるのだから必然的に頭の映像を撮るのが流れだと思うが救急病院の判断はこんなにも緩いものなのかと驚いた。

30分ほどで車いすに乗せられて戻ってきた。

CTを撮り終え脳外科の先生の画像を見ながら説明では

(映像には映っていませんがみえない細い神経【滑車神経麻痺・動眼神経麻痺・外転神経麻痺】が考えられる。)と話された。

治りますか?の質問に良い返事は帰ってこなかった。

大学病院に行くか・・・

すかさず私は【紹介状は書いていただけますか?】と尋ねた

【もちろん書きます】と・・・

だけど、次の予約は11月7日だ。あまりにも間が空きすぎる。

どうしたら良いものかと不安だけが駆け巡るだけだ。

皆が甘く見ている自転車事故で大切な眼に障害が出て日々の生活が苦しい。

老後のたった一つの楽しみの【囲碁】ができなくなっている。

今回が最後と、白内障の手術をして、眼鏡を作って免許証の更新を済ませ

1度もハンドルを握らないまま自転車事故のあってしまっった。

 

加害者といえばただ【事故に合わせてしまって申し訳ありませんでした】の

言葉で終わり。

私は・・・・・。(夏子)