才能之塊 | 南野やじオフィシャルブログ「南野やじの他力本願2」by Ameba

才能之塊

南野やじでございます。


今日は、ほぼ全ての芸人さんが、この方の事について触れてらっしゃると思います。末端芸人の私も僭越ながら書かせて頂きます。ほぼ独り言みたいに書きますので。


芸人を始めて間もない頃、何度か旧・シアターD(渋谷センター街にあった頃です。)でライブを御一緒させて頂いた事があります。


確か「Tokyo Live League(東京ライブリーグ)」という当時マンスリーで開催されてたライブです。


原口あきまさサンが「チャムズン」というコンビでガンガン爆笑を取り、はなわサンが「佐賀県」の歌を発明する前の段階で褌一丁の裸一貫の姿でジャイアンツのオリジナル応援ソングを延々歌ってて、今は放送作家をされてる大輪教授サンが「おおわ貴史」名義で早口で捲し立てる一人コントを披露し、そして前田健さんは毒気のある芝居仕立てのコントから最後は歌って踊って締めるという、まるでミュージカルのようなネタをされてました。


…………偶然にも、御紹介した皆さん全員ケイダッシュの芸人さんですね。他にも沢山の芸人さんが出てらっしゃったのですが……。この頃からケイダッシュって凄かったんです。もう20年近く前の話になります。


前田健さん。まず単純に、英語力と歌とダンスが抜群でした。漫談もコントも随所にアメリカンジョーク的な要素が満載で、粋で洒落てました。単独ライブも一度勉強させて頂きましたが、格好いいダンスショーから始まる文字通りの「THEエンターテイメント」でした。


日テレの何かしらの特番でバキバキに仕上げた渾身のショーを披露し、対決形式のコンテスト番組だったのですが、善戦及ばず敗退が決まった時、スタジオの隅で一人号泣されてた姿が印象に残ってます。あの頃から本格的に世に出始めたと認識してます。


テレ朝のタイムショック21では、犬に関するテーマの問題で12問パーフェクトで正解。数年前、地元諫早で観た映画「ふるさとがえり」で非常に味のある演技を見せつけられ、上演後の質疑応答の際、監督さんに「前田健さんを起用された理由を教えて下さい。」と思わず質問したほどです。


この方がテレビ番組に出演されると、いちいち印象に残るんです。毎回毎回、素晴らしい御仕事をされてました。「スゲー!何でも出来るじゃん、この人!」っていつも思ってました。


12年前の夏、汐留の日テレジャンボリーでの「エンタの神様・野外ライブ」も御一緒させて頂きました。松浦亜弥サンの声真似で「GOOD BYE 夏男」を完璧に歌いきった直後、ドスの効いた低い地声で「はぃ、ありがとうございまぁ~す。」で会場が大爆笑。あのシーンは忘れません。


多分、芸能の神様は、マエケンさんの天賦の才に嫉妬したんだと思います。だから、こんなに早く天国へ連れてったんだと思います。だってそうじゃないですか。素晴らしい人ほど、凄い人ほど、若くして亡くなるじゃないですか。


あ~あ、もっともっと積極的に話しかけるべきだった……。