◆◆旅のしおり◆◆
~はじめての一人旅・おしんの舞台とクラゲ水族館の旅~

旅の時期/日数:1月初旬/一泊二日
◆1日目
成田空港⇒庄内空港⇒酒田市内観光⇒湯野浜温泉
◆2日目
湯野浜温泉⇒加茂水族館⇒庄内観光物産館⇒庄内空港⇒成田空港



はじめての一人旅・おしんの舞台とクラゲ水族館の旅~その1
◆傷心の一人旅?それとも正月の一人旅?◆



3年前に職場の異動があり、土日が忙しい部署へと転属となった。
全ての土日に出勤するわけではないが、土日休みのうさこさんとはなかなか休みが合わない日々が続いている。

特に昨夏頃からはうさこさんの仕事が忙しくなり、平日休みを取ってもらって一緒に旅に出掛けることがちょっぴり厳しい状況だ。
うさこさんもブログが忙しくてなかなか更新出来ないことをお詫びしている⇒うさおごはん
そのため、最近はより手軽なツイッターで更新している⇒うさごはん

※ツイッターが「うさお」ではないのは、外食した情報なども載せているかららしい。お暇なら見てください!

そんなこんなで1月4,5の土日も仕事だっため、翌週の平日に連休が出来た。
仕事始めすぐのうさこさんが休めるはずは当然ない。
11月の家族旅行から2ヶ月も経過しているし旅行の虫がうずいている。
すると、うさこさんが一人旅に出掛けてこいと提案してくれた。
私も虫関係では一人で出掛けることが多いのだから、うさおさんだって趣味で一人で出掛けてもいいではないかと。


そうは言っても実は一人旅はしたことが無い。
地方の友人に会うために一人で出掛けることは多々あったが、出発から帰宅まで一人というのは無い。
行ってみるか!
はじめてのおつかいなら可愛いけど、おじさんのはじめての一人旅に!
ということで正月の一人旅に出掛けることになったのだ。

直前に決めた旅だし一人旅なので、空いていて安く行ける旅先を選ぶ。
かつ、今まで訪れたことがないところ。
いろいろ探して、ジェットスターの庄内行きが安いことを発見。
酒田を中心とする庄内は行ったことが無いし、鳥海山は見てみたかった山ということで決定。
宿泊は温泉がいいので湯野浜温泉の民宿。
一人旅でも予定を組むのは楽しいね。


テレビや他の方のブログで見たことがある陸上競技場のレーンのように色分けされた通路を歩いて成田空港第3ターミナルへ。

ジェットスターに乗るのは久しぶりだけど結構好きだ。
離陸したら40~50分ほどで着陸態勢に入るほどの近さ。
その代わり、成田で滑走路に行くまでに20分くらいかかる。
それ込の飛行1時間ちょっとなのか。

冬の日本海側でよく見られる低く垂れ込めた雲を抜けると広がる庄内平野。
その先に現れる真っ白な鳥海山。



例年であれば平野にも積雪があると思うけど、今年は全国的に雪が少ないので、その分白い山がより神々しく見える。
やっぱり独立峰は気高い感じがして素晴らしい。
今回は遠くから眺めるだけなので、いつか近くからも見てみたい。

庄内空港では飛行機が到着すると、酒田駅行きと鶴岡駅行きのバスが待機している。
酒田駅行きのバスに乗り込み、庄内平野を走る。
庄内平野からは印象的な二つの山を望むことが出来る。
先程の鳥海山ともう一つは月山。



曇り空だと言うのに名前の通り光り輝いていたのが印象的だ。
渡っているのは大河最上川。
松尾芭蕉が「五月雨をあつめて早し最上川」と詠んだ句が有名。
日本三大急流にも数えられ、単に流れが早い最上川の有様を詠んだとも取れるが、五月雨とはしとしと降り続く雨であって豪雨ではない。
小さな力でも沢山集まれば強い力になる。庄内は農村だが農民一人一人の小さな力を結集すれば強い力になるかもしれない。

それだけ庄内は豊かな土地なので侮れないという真の意味があると言う人もいる。
確かにそう言いたくなるくらい庄内は魅力溢れた土地だ。
空港名も「おいしい庄内空港」だし。


旅へと戻る。
バスは市役所前で降りる。
市役所前には大きな獅子頭が二つ。

 


昭和54年の酒田大火復興記念の年に、防災と繁栄の願いを込めて四体作成した大獅子のうちの二体だそうで、酒田まつりの際に行われる獅子パックンで大活躍するらしい。
って獅子パックン何???
調べたら、無病息災を願い、小さいお子さんを大獅子の口の中に入れて噛んでもらうもので、ワッショイの掛け声とともに、3回噛まれるとほとんどの子どもが怖さのあまり大泣きになるとのこと。
いかにも日本らしい大人発想のお祭りだけに、子供がトラウマにならないかがやや心配ではあるが、やはりパックンマックンとは無関係であった。

市役所前で降りたのはこの近くに酒田の観光名所が集まっているから。
まずは、歩いて数分の本間家旧本邸を目指す。
日本一の豪農であり金融業、北前船による交易でも財を成した本間家が、幕府の巡見使一行の宿として、荘内藩主酒井家に献上したお屋敷。
長ーい壁からしてその豪華さが垣間見える。



「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」と謳われたほどの本間様はどんな感じなのかなと門の前まで来ると無情にも休館日の札
ガーン

 


12月中旬から1月は休邸日らしい。
急に決めた旅なので地図で行く場所だけ決めてよく調べなかった笑い泣き

とりあえず長い壁をぐるっと一周だけする。
正面ではない場所にも立派な門。

 


正面の門は特別な時や賓客の来訪時にのみ使用されたそうで通常はこちらから出入りしていたそうだ。
門ばかり見て入れないことに悶々とする。おやじだけに
チーンチーンチーン

気を取り直して市役所まで戻り、向かいにある旧鐙屋はどうかなと覗いてみる。
良かった!開館中だ!



酒田を代表する廻船問屋で、江戸時代を通じて繁栄した豪商。
北の物産を京都・大阪まで運び、上方で仕入れた品を北に持ち帰る。

入るとすぐに帳場がある。

 


自前の船だけではなく、他の商船の荷も買い取って販路がある鐙屋が商売していたらしい。
ここで腹の探り合いが行われていたわけだ。

内部は長い通り庭(土間)に面して、十間余りの座敷、板の間が並んでいる。



硝子越しに見える手入れが行き届いた庭園も見事。



台所ではご馳走作りの真っ最中。



全て作り物だけど鯛の焼き物とかがリアルで本当に人が作っている最中みたいによく出来ている。



土間に片隅には北前船の模型。



儲かる商いとはいえ冬の荒れる日本海はさぞ恐ろしかっただろう。


正月明けの平日なので観光客は自分のみ。
係のおばさまが外に出ると珍しい屋根が見えると教えてくれた。
見れば屋根に石がびっしりと置いてある。



石置杉皮葺屋根と言って、下地に茅を敷いて土を載せ、杉皮を葺いて平たい石を敷き詰めてあるそう。
井戸にも石。



海側の塀は他に比べて一段高くなっていて補強もされている。



冬に吹く海からの西風の防止や火災の時には風に乗る炎から屋敷を守ったそう。
酒田は江戸時代から度重なる大火に襲われ、昭和51年にも1,774棟を焼損する酒田大火と呼ばれる大火災が発生した街。
火災対策は重要だったのであろう。

中に戻って座敷に上がらせてもらう。

 


法被などもあって羽織れば当時にタイムスリップ。

思わずお姉さんお酒持ってきてと言いたくなったところでその2へと続く。



●参考情報●●
・獅子パックン
・本間家旧本邸
・旧鐙屋