いやさ何とも不憫な話しである..
私が前世も今世も女なら
何も問題なかったし
独身だったら
なおさらハッピーエンドで
終わった話だったのに
都合の良い現実など無いのだ
今世
私は白侶にまったく関係ない
2つの理由で
「男」として転生した
1つは、前世の兄に会うため
1つは、最愛の友と生きるため
そこに白侶への配慮は
まったく無い
今生で師匠に出会うまで
私は兄に対して
自分が殺してしまったことへの
呵責の念を抱いていた
あの人に女として見られぬよう
同じ男同士なら
うまくやっていけるかも知れない。
血は繋がっていなくとも
兄弟としてまたやり直したい。
私の前世(みつ)はそう思い
今の性に転じたのだと言われた
「お前は悪くない」
「俺が悪かった」
信也にそう言われて
和解して
やっと胸のつかえが取れるまで
24年かかった
続