祖母は
私の「若さ」が妬ましかったのか?
男が私に下心を抱くのが
「女」として気に入らなかったのか?
どちらだったのだろう??
今となってはもう、分からない
分からないけど..
「あの人」からされた仕打ちは
今でも全部覚えてる
忘れられないし、消せない
汚くて、気持ち悪くて
嫌な記憶ばかりだ
どんなに綺麗な思い出で上塗りしても
夜の帳にいつも思い出す
やり直せるなら、やり直したいか
いつか
そんな事を誰かに聞かれた
私は案外、即答だった
「やり直す気はない」
ツラいも苦しいも
汚いも綺麗も
経験したことは全て、全部
俺のモノだ!
そう言い切った
どんなに嫌な記憶でも
それがあったから生き抜いてこれた
自分にとってこれ以上
“下”がないから
あとは昇るだけと腹をくくれたんだ
地獄だった!
気持ち悪かった!
自分の汚さと
周りの同世代とを比べて絶望した
けれど
その経験があったからこそ
カタバミの花を見て
「きれいだ」と笑うことが出来た
空を翔ぶ蜻蛉に
「すごい」と感動できた
小さなことに
幸せを見出せるようになったのは
きっと
これまでの経験があったからだ
これは、私の長所
今は
祖母が死んで
『祖母の生き霊』からも
『男難の相』からも解放された
祖母は「老い」を恐れていたが
私は、それほど悪くないと思っている
自分のことを周囲の人間に話す時
私は「自分は幸せな人間だ」
と言っている
それで
【苦労知らずの楽天家】
なんて言われた日には
最高にハッピーだ(笑
私が過去に負けていない証拠だから
祖母から解放されて
三十数年間の性的な“柵”からも解放された
今は自由すぎて
逆に何をしたら良いのか、
唐突に訪れた「自由」を
持て余している(笑
終