今だから話せる、親友との決別..⑥決別 | 比翼連理 ~執事の愛が重い件~

比翼連理 ~執事の愛が重い件~

当ブログは、年の差11歳の主従が送る日常の風景。ネグレクトの母から赤子の私を引き取り育ててくれた付き人の白侶(ハクロ)は、その美貌と優雅さで見る者を虜にする外面の良い悪魔。そんな彼のドス黒い“本性”を主人ならではの目線で書き綴るノンフィクションです。

これが最後

◇◆◇◆ ◇◆◇◆ ◇◆◇◆


トシの愉快な仲間達は
二股をかけられたと言われて
呼び出されたらしく

私から事の詳細を聞くと
そういうことなら帰ります、と
詫びを入れて
全員帰って行った



ただ、トシだけが
山で私を助けた人物について
 
「本当は付き合ってるんだろう!」
「何でそんなウソつくんだよ」

と喚いていた


私には、ほんの1か月前まで

2年付き合ってた

Iカップ恋人がいた


アパートでトシに返事をした時点で

別れてしまったが

(1番の被害者は彼女だ)


にもかかわらず..

白侶を恋人とか言われるなんて



心外にも程が
ある





人の誠意まで
嘘つき呼ばわりされたアレは

さすがにちょっと堪えた

あの『嘘つき』って言葉の傷は
なかなか癒えなかった

というか、今も癒えてない


本来なら
一発くらい殴ってやった方が
良かったのかも知れないが..


正直なところ、私も

“元”親友に対する望感
もう友人にも戻れないだろうという
望感とで

平静を保っているだけで
精一杯だった




終始泣きっぱなしの“元”親友を
宥めながら
少しずつ話を進める




  ごめん ごめん ごめん


自分でも、もう何をしているのか
理解出来ていないトシ


俯いて
私を抱き締め

何度も「ゴメン」を繰り返す

子供の頃、私達はケンカした時よく

握手や抱き締め合って友情を確認してた

それが『ゴメン』の合図だった



けれどもう..









終わりだ








私も一言
『ごめん』とトシに謝った


謝罪の意味の『ごめん』

きっと、1番助けて欲しいときに
助けてやれなかった、
傍にいてやれなかったから、
自分たちは
こうなってしまったのだと思う

    

トシは本来

こんなに泣く奴じゃなかった..


こんなバカなことの出来るタイプでも

人を傷付けるような事をする

タイプでもなかった



鬱さえなければ





私の『ゴメンな』

「何でお前が謝るんだよ」と
トシが言う


..終わりだ


私はその耳元で、静かに呟いた



これまでの

親友としての長い時間も
恋人としての短い時間も

何もかも


すべて終わり








これが、私たちの終着点








    

この話はここまで。

私達の関係も、これで終わり



今はもう、ふたり

親友でもなければ友人でもない


赤の他人


会うことは無く

同窓会やクラスLINEでも


今も、話すことはない



私はずっと、親友として

今も俊典が傍にいると思ってた


バカな話を今もしていて

二人で旅に行ったり

 互いの家で飲み明かしたり..


そんなの『普通』で

『当たり前』の日々だと思ってた



まさか

それら全部の日常が無くなるなんて
この出来事が起こるまで
想像もしてなかった


正直言って..

私達の関係のどこが悪かったのか

何が問題だったのか

私には分からない


..恋人か..親友か..


すれ違った心が修正も出来ないほど

離れてしまったんだろうか?







あと、何回季節が巡ったら

私達はまた

話すことが出来るように、なりますか?