エッセンシャルオイルは植物の成分を抽出しているため、原液の状態では刺激が強いものもあり、肌に塗布する用途でエッセンシャルオイルを使う場合はキャリアオイルで希釈する必要がある。また、マッサージをする際には皮膚どうしの摩擦を防ぐためにキャリアオイルを使用する。
◆キャリアオイルとは？
植物の種子や果実から抽出された植物油のこと。
キャリアオイルには、エッセンシャルオイルを希釈するために用いられる他、キャリアオイル単体で使用することも可能。エッセンシャルオイルを「薄めて運ぶ」働きが、「キャリアオイル」という名前の由来。単独では蒸発しやすい揮発性油であるエッセンシャルオイルは、不揮発性油のキャリアオイルとブレンドすることで、芳香成分の保持が可能になるという利点も。
◆キャリアオイルとマッサージオイルの違いは？
キャリアオイル：植物から抽出されたままの状態であり、エッセンシャルオイルは含まれていない。
マッサージオイル：キャリアオイルにエッセンシャルオイルを加えたオイルのこと。
◆キャリアオイルの使い方
キャリアオイルにエッセンシャルオイルを混ぜてボディに使うときは、キャリアオイルに対して1％以下の割合でエッセンシャルオイルを混ぜる。（エッセンシャルオイルの濃度が1％を超えると、刺激が強くなる場合あり。） フェイシャルに使用するときは、より刺激を少なくするため0.5％以下の希釈濃度が適切。
◆キャリアオイルの種類
・ココナッツオイル：ヤシの胚乳から抽出されるオイル。水のようにさらっとした質感で、キャリアオイルの中でも最も軽いオイルと言われており、顔を含め全身に使える。空気に触れても酸化しにくい。気温が下がると固まってしまうタイプ（一般的に料理に使われるココナッツオイル）と、特別な蒸留法により、気温が下がっても固まらず、ほぼ無臭の「フラクショネイテッドココナッツオイル」があり、キャリアオイルとしては後者が使われることがほとんど。
・スイートアーモンドオイル：アーモンドから抽出されるオイル。適度な粘度で柔らかい質感のため、顔を含めた全身のマッサージにオススメ。オレイン酸、リノール酸、ビタミンB/Eなど栄養分が豊富。アーモンドの香りがわずかにするものの、ほぼ無臭で色は淡い黄色。
・ホホバオイル：ホホバという植物の実や種から抽出されるオイル。粘度が低く軽い質感のため、広範囲のボディマッサージにオススメ。熱に強く、酸化しにくい。紫外線から肌を守る作用もあり、スキンケアにも使える。香りは無臭で、安定性が高いことが特徴。
・グレープシードオイル：ブドウの種子から抽出されるオイル。粘度が低くさらさらとした質感のため、主にフェイシャルマッサージにオススメ。ビタミンEを豊富に含む。香りはほぼ無臭で、色は淡い黄緑色。
・マカダミアナッツオイル：マカダミアナッツを常温で絞って抽出されるオイル。粘度が低く軽い質感のため、フェイシャルマッサージやハンドマッサージにオススメ。ココナッツオイル同様に酸化しにくい。ビタミンが豊富に含まれているため、若返りを促すオイルと呼ばれている。ナッツの香りで、色は琥珀色。
・アプリコットカーネルオイル：杏の種子から抽出されるオイル。粘度が低く滑りが良いため、主にフェイシャルマッサージにオススメ。ビタミン、ミネラルなどの栄養分が豊富に含まれているためスキンケアにも良い。杏仁の香りで、色は淡い黄色または橙色です。
・ピーチカーネルオイル：桃の種子から抽出されるオイル。粘度がやや高く滑らかな質感のため、主にフェイシャルマッサージにオススメ。甘い香りで、色は淡い黄色。
◆安全なものを選ぼう
農薬や重金属は、健康被害の原因となる成分。キャリアオイル選びでは、原料となる植物の栽培過程で、農薬や重金属を使っていないかどうか確認することが大事。油に溶けやすい性質をもつ農薬や重金属が植物に含まれていると、抽出したキャリアオイルに成分が残る可能性があり、敏感肌の方や肌荒れしやすい方は、わずかな添加物にも反応して炎症を起こすことがある。成分情報や安全性を提示している製造元のものを選びましょう！
◆使用前にはパッチテストを。
それぞれが効果のある良いオイルであったとしても肌タイプにより合う合わないがあります。特に敏感肌やアレルギー体質の人は、トラブルを防ぐためにパッチテストを事前に行いましょう。
＜パッチテストの方法＞
①キャリアオイルを腕の内側、または肌の柔らかい部分に塗る。（エッセンシャルオイルを希釈する役割としてキャリアオイルを使用するときは、キャリアオイル大さじ１にエッセンシャルオイルを１滴を混ぜたもので手テスト。）
②24~48時間放置。
かゆみが出たり赤く腫れたら直ちに洗い流し、使用は中止。
◆キャリアオイルの保存法
・高温多湿を避ける
・熱を発する機器の近くに置かない
・日光が当たらない場所に置く
・容器のキャップをしっかり閉める
◆使用期限
約３〜４ヶ月。開封後３ヶ月以内であっても状態に変化が見られる場合には使用を中止しましょう。