でまぁ、この間のニュースを見ていると、逮捕や勾留という手続きの話と、有罪か無罪かという裁判の話がごっちゃになってるのもあり、
あらためて逮捕や勾留、そして警察官、検察官、裁判官の役割などについて確認してみたいとイラストしてみました。
つて、知ってる前提のようにニュースで出てくる言葉ですが、どう違うんでしょうか。
逮捕は警察官や検察官が、犯罪の疑いなど刑事訴訟法で決められた要件に従って、裁判官の出す逮捕状で逮捕します。
勾留は、逮捕のあと、検察官が、さらに必要と判断した場合に、これまた刑事訴訟法で決められた要件に従って、裁判官の出すと勾留状で勾留します。
逮捕は最大72時間(3日間)、勾留は原則が10日間で延長されても20日間まで。時間制限が厳しく定められています。
そして、どちらもミソなのは、「裁判官の許可」がないとアカンというところです。「警察官が逮捕したー」なんて聞くと「警察官が判断した」ぽい感じで聞こえますが、実は判断しているのは裁判官なんですね。
なぜなら、逮捕や勾留は、裁判にかけるかかけられないかもわからない段階で、つまり有罪か無罪かなんて話にもなってない段階で、人を閉じ込める強い力のある手続きだからです。
警察官や検察官が、自分たちの捜査を力任せに進めて人を引っ張ってきて閉じ込めないか、独立した裁判官がシッカリ判断しなきゃということなのです。
警察官はあくまでも、「裁判官に逮捕状を請求して」、それに従って「逮捕して」、逮捕した「被疑者(容疑者)を検察官に送る」のが仕事なんです。
そして、実際の裁判はというと、刑事裁判の「推定無罪」という言葉をご存知でしょうか。
「逮捕されたから、勾留されたから、起訴されたから絶対に有罪だ」ということはどこにもなくて、裁判になってから初めて、裁判官はフムフムと考えるのです。
そしてその考える仕組みとして「検察官が裁判官に対して、この人(被告人)が有罪だと確信させなくてはならない」のです。
なにも、被告人本人や弁護人が「無罪」を証明しなきゃいけないワケではないのです。
検察官こそがシッカリ裁判官に確信を抱かせるべく「有罪」を証明しなきゃいけないので、最後の最後の判決がされるまで、被告人は「無罪」と推定されるのです。
その辺の仕組みをちゃんと知っていると、誰かが逮捕された!!というニュースなんかも、また見え方が変わってくるかもしれません。
逮捕されたからって、「有罪」が決まったワケじゃないんだと。むしろ、これから検察官が裁判にかけるかかけないかを判断するんだと。そういうことを小学校や中学校で習えば、「もしも自分が逮捕された時」も含めて、状況を理解しやすくなるかもしれません。
そして何よりも裁判官の役割です。
実は、全て、裁判官を中心として仕組みなのです。裁判官の判断によって進んでいくのです。そして、有罪か無罪か、検察官や警察官が「決める」のではなく、裁判官が「判断する」のです。
検察官がいくらすごんでも、弁護人がいくら喋っても、裁判官の判断にかかるのです。
裁判官、実は、ただの「勉強ができるエラい公務員」ではなく、人の人生や、社会の安心や安全の手綱を握る責任重大な仕事なのです。
正義感に燃える人こそ、警察官、検察官、弁護士ではなく、裁判官に!というのが理想なのかもしれません。
ちなみに、坂口杏里さんは、「逮捕」はされましたが、検察官が「勾留」することを裁判官に求めましたが、裁判官が「勾留する必要はない」と判断して釈放となりました。
有罪とか無罪とかの問題ではありません。坂口杏里さんについては、今後、検察官がそれでも裁判が必要と判断すれば「起訴」して、有罪か無罪かについて裁判官の判断を仰ぐことになるでしょう。
あるいは検察官が「やったことはやったろうけど、裁判にかけるほどではない」と判断すれば、裁判にはかけられず、不起訴処分となるでしょう。
今はそういう状況ようです。