ホンマかいな?ペットボトルとちゃうんやで。 | 弁護士みなみかずゆきのブログ - ON AND ON -

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南森町の「なんもり法律事務所」の弁護士の南和行のブログです。同性愛を公言するカップル弁護士,弁護士夫夫です。
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なぜ、最初からペットボトルも一緒に書いてないんだろう。今日はなんか体調イマイチ、イマニ、イマサンなんですが、昨日の原稿も無事に仕上がりました。


ところで「子どもがほしい」ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルほかセクシュアルマイノリティのための、「出会い系ビジネス」なのか「精子提供斡旋ビジネス」なのかはたまた「結婚斡旋ビジネス」なのかわからんサイトを見てしまいました。


なんかリンクとか貼るとまるで宣伝?ステマ?みたいですが、正直、「あかんやろー」という感想しかわかない。感想はツイッターにも書いたのですが。


【疑問いっぱい】
同性カップルが子どもを持つマッチングサービスのサイト。有料で弁護士紹介までするのに運営主体が不明。精子提供なのか養子のあっせんなのかも不明。わかるのはお金がかかるということだけ。怪しいという感想しかない。


【子どもを大切にしていない】
子どもに生まれてきたいきさつを伝えること、親たち大人の事情や都合が子どもの負担にならないこと、それは生まれてくる子どもの人権の問題である。しかしこのサイトには子どもの人権への配慮が見受けららない。


【そんなに簡単ではない】
差別や偏見はする人が悪い。社会が悪い。それは事実。しかしそれと向き合い身をかわし、子どもを守っていかなければならない。「家族の形に決まりはない」というキャッチコピーは「あとは知らん」というもの。無責任。


【問題点はないのか】
精子提供の場合は医療機関では男女の事実婚のフリをさせる(嘘をつかせる)のだろうか?セックスではない自家受精の場合の衛生面の危険は誰が負担するのだろうか?もしかして婚姻届出して戸籍上の夫婦となるのを薦めるのか?


【子どもをダシにした出会い系】
出産や養育は本人たち任せというのであれば「子どもが持てない」で心を揺さぶるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルのための出会い系サービスにすぎない。「結婚できない」で心を揺さぶる友情結婚斡旋業者と同じ。


ということでこのサイトがこれです。


僕は同性カップルが子どもを持つことや育てることそのものはアカンと思わないし、現実に同性カップルで子どもを持つ友人や知人について、やっぱり「うらやましい」「いいな」とすごく思う。


異性カップルの友人や知人が子どもを持っていることにも「うらやましい」「いいな」と思うのだけど、レズビアンカップルの友人が、あるいはそうでなくてもいろいろなLGBTの友人や知人が子どもを持ったときは、特別な「うらやましい」「いいな」の気持ちになる。


それはもしかしたら「ズルい」というような悪い気持ち、嫉妬心もだいぶあるのかもしれない。


ただ、「保育所落ちた」の話じゃないけど、現実に子どもを産み育てるというのはむちゃくちゃ大変なことで、正直、これから子どもを産み育てる人からすると気楽に「いいな」「うらやましい」なんて言われてる場合じゃないとも思う。


特に同性カップルで子どもを持つということは、大きくなっていく子どもにどのように説明するのか、不測の事態やあるいは関係解消のときに産んでない親と子どもとの間で法律上の親子関係がないことから生じる困難をどう乗り越えるのか、「うらやましい」とか「いいな」と言われるようなモンでないよというのが本音かなとも思う。


保育所、幼稚園、学校、マンションの付き合い、町内会、親戚などなどから「同性カップルで子育てなんて」と言われたり、子どもがイジめられたらどうしようかと、僕ももしパンダ吉田さんと子育てをするとなったらきっと、ズーッと子どもが大人になっても心配でたまらないと思う。


さて、そんなだからこそ、事前にしっかり考えておかないといけないだろうし、関わる人たちの信頼関係も大事なのだ。僕も弁護士だから、そういう関係での「覚え書」の作成をお手伝いすることはある。


でも、その人たちにいつも言うのは「でもね、お互いがこれを守りましょう」という紳士協定みたいな拘束力しかないんだよ。子どもが大人の決めた通りを望まないこともあるし、想定外のことも起こるし、そのときはこの約束にあってもなくても「子どもの幸せ」を考えなきゃダメだよと踏み込んで言ったこともある。


それは当たり前で、生まれてくる子どもは生まれた瞬間から親とは別の独立した人格で、個人として尊重されて人権が保障されるのだから。子どもの人権の問題をあらかじめ親が決めておくことには限界がある。


ということで、このサイトは商売として、そりゃいろいろ工夫してるんだろう。ようするに踊っている言葉は、とにかく短期的に今ここで「はい!私、買います!」と言わせるためのキャッチーなものだ。「家族の形に決まりはない」という言葉は僕も講演なんかで使うかもしれない。


でも、それは「今、目の前で同じ社会で暮らしている自分と違う家族について「間違っている」「不幸だ」と言うのはおかしいですよ」の文脈だ。「さ!だからアナタも精子提供斡旋名簿に参加しましょうよ!」の商売のキャッチコピーに使われるとなんだか軽々しく空々しく聞こえる。


「子どもほしいですか?」と聞かれたらそりゃいたらいいなと思う。子どもがいる暮らしに憧れる。僕とパンダ吉田さんのあふれる愛情を子どもに注げたらとも思う。だけど、僕のその気持ちすら商売の餌食にされてるのかもなと思うとそりゃ残念だ。


ちなみにこのサイトのサービスで、いちばん高額なのは12ヶ月で25人と出会って73万円というコースだ。真実であれば相当な登録会員が必要じゃないか。そのへんもホンマかいなと思わざるを得ない。


運営主体が法人なのか個人なのかも不明であるが、顔と名前を出している弁護士さんと行政書士がやっているのか?弁護士さんの事務所のホームページ見たけど別に家族法が専門ではないんやね。