鍵を回せば扉は開くのか。 | 弁護士みなみかずゆきのブログ - ON AND ON -

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南森町の「なんもり法律事務所」の弁護士の南和行のブログです。同性愛を公言するカップル弁護士,弁護士夫夫です。
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今日はなんだか頭痛もするし,ちょっとクタリ気味の金曜日でした。夕方,彼と二人で車に乗って(僕が運転して)移動している時も,彼に「今日は運転するな-!」と言われるほど,注意力を欠いているかのように見えたようです。


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いや,たしかに今日の僕はなぜか疲れていた。なぜだろう。でも明日の土曜日も仕事だ。ひーんと,重たい鞄を背負いながら,夜中に再び事務所に来ました。が,疲れていたのか,事務所のドアに何回も家の鍵を差し込もうとして「回らない!」とか焦って。


そりゃそうだよ。鍵が違うのだから。いや-。単に慌て者なのか。


んで,事務所で,今日の夕方,とある裁判の関係で,労働組合の人から届けてもらった過去の裁判の判決を読みながらムムムと思っていると事務所の電話がルルルルルル・・・。こんな夜中に誰かしら?と電話を取ると「アメリカの連邦最高裁で同性婚を権利として認める判決が・・・」と!?なななんですと!


http://www.nytimes.com/2015/06/27/us/supreme-court-same-sex-marriage.html?smid=fb-share


英語は全部はわからないのだけど,アメリカの連邦最高裁判所で,同性カップルの結婚する権利は憲法で保障されているという判決が出たようです。裁判官9人の評決は5(賛成)対4(反対)だった。やはり揺れ動く問題,だけれども。

 
これまでDOMA(結婚防衛法)が,結婚は男女に限られるとしたことを違憲としてきたことに加えて,積極的な権利として,同性婚が認められるということです。

 
家族として暮らしているありのままを社会から認められる(=否定されない)ということが,人権の問題であるということが示されたのです。

 
2011年12月,ジュネーブでヒラリー・クリントン氏(当時の国務長官)が「同性愛者の権利は人権である」と語った演説からここまで,アメリカの社会がどんどん動いているのが見えるような思いです。


日本が同じようにとは思わないけれど,それでも,海の向こう側の社会の動きというのは少なからず,「へぇ」とか「ほぉ」とかいうことを日本に暮らすいろんな人が思うきっかけになるように思います。


同性婚というのを議論すると,それは単に「同性愛者が「男女のマネして」結婚したいらしいぜ」という話ではなく,家族とはなんだろう,結婚とはなんだろう,そもそも日本の法律は「結婚」は何だと言っているのだろうと,そういうことに向き合わざるを得ないように思います。


未だに夫婦別姓に対してすら根強い反対がある日本社会ですが,例えば,同性婚と夫婦別姓。「夫婦は同じ名字で別にいいじゃん。普通じゃん」というイメージって,男女だから成り立つかもしれません。現に結婚する男女の98%ほどが男性の名字にするとのことです。


そうすると,日本で「同性愛者が「男女のマネして」結婚したいらしいぜ」と言ったところで,例えば名字どうするの!?な話もあるワケです。名字一つとったって,日本で同性婚を議論するとなると,じゃぁそもそも「結婚したら同じ名字にするしか選択肢がない」と法律で決まっているその意味ってなんだろう・・・ということも考えなきゃいけない。


そんなこととかあんなこととか,考えると,日本で同性婚を議論するということは,本格的に結婚制度そのものについて,議論しなきゃいけないわけで,いやー,なかなか。一部の人達の議論ではなく,国民全体の議論になるには,時間がかかるのかもしれませんね。


とかいうことを考えながら,今日も彼が作ってくれたご飯はおいしかった。


そして,私の書いた本,「同性婚 私たち弁護士夫夫です」は,いよいよ来週,本屋さんに並びます。Amazonでも注文できます。どうぞ皆さん,「へぇ」「なるほど」と思ってもらえるように書きましたので,お手にとっていただければと思います。

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http://www.amazon.co.jp/dp/4396114222/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1435331982&sr=1-1&keywords=%E5%90%8C%E6%80%A7%E5%A9%9A