金の値上がり 2025年4月22日

金価格の値上がりが止まらない。ついに1円玉一個が1万7000円を超えた。1㎏で1700万円である。いまから50年ほど前の金価格は1g=1000円、すなわち1㎏=100万円だった。その後、1971年の金・ドル交換停止によって金への選好が急速に強まり、2011年以降は1g=3500円から5000円のレンジ内で推移してきた。ところがここ1~2年の間に、金価格は急騰している。背景には何があるのか?

 



一般に有事になると安全資産として金が買われる。いわゆる「有事の金買い」である。2020年のパンデミック、2022年のウクライナ戦争の勃発により金価格は動意づいた。そして2024年以降、金が急騰し始めた。

原因はドル離れといわれる。中国、インド、ロシア、トルコ、ポーランドなどの中央銀行が金を購入しているらしい。とくに中国の購入量が大きい。中国は2024年に入ってドルを売却し金の保有を増やしている。まるでトランプ政権の誕生を予測し、それに備えていたかのようにも思える。現在、中国の外貨準備における金の保有量は約2284トン。ドルに換算すると約2400億ドル(約36兆円)である。

世界の金の年間生産量は約3000トン。1トン=80億円とすると、わずか24兆円に過ぎない。そのうちの55%は宝飾向けで、残りが地金ややコインといった通貨・投資対象となる。東京証券取引所の1日の売買代金が5兆円、ニューヨーク証券取引所はその3倍以上あることと比較すると、金市場は極めて小さい。だから、わずかな資金の流入でも金価格は大きく変動する。まさに池にクジラが飛び込むことになる(笑)。もちろん、クジラが逃げればその反動が来る。山高ければ谷深し。

これから金価格はどう動くのか? 1999年ごろ、世界の外貨準備に占めるドルの割合は75%程度だった。ところが、現在、57%程度にまで低下している。今回アメリカが仕掛けた関税戦争は単なる貿易戦争ではない。21世紀後半からの世界のナンバーワンをめぐる米中の覇権争いである。トランプ大統領を見ていると、今後も世界的なドル離れが続くと思われる。


私が日本の財政破綻に備え分散投資の一環としてわずかばかりの金を購入したのは2017年である。今持っている金は当面ホールドである。70歳を過ぎた資産運用は「利回り重視」「分散投資」「長期投資」に限る。儲けようなどとゆめゆめ思わず、損をしないことを旨とすべし。