前回 までは、P/L関連の不正会計を紹介してきましたが、今回からはキャッシュフロー関連の不正会計を紹介します。
Accounting Shenanigans on the statement of cash flow
イントロ
①会計スキャンダルの後、キャッシュフローステートメント(CFS)への注目が増している
②CFOは操作できない、という誤解がある
③キャッシュフローのトータル額は操作できない
④CFO、CFI、CFFのどこに分類するのに操作の余地がある
CFSでの創造的会計の動機
①キャッシュフローが増加すると株価が高くなるはず
②キャッシュフローが増加すると、借り入れコストが下がり、借入枠も増えるはず
③キャッシュフローベースの報酬制度が導入されている
以下に具体的なテクニックを紹介します。
1.買掛金の支払いを遅らせる
テクニックでも何でもないですね。嫌な得意先になるだけの話です。
2つの見方
①キャッシュを生みだすのに苦労している
②キャッシュマネジメントができている
問題点
①一時的なインパクトしかない
②サプライヤーも支払条件を変えてくる可能背あり
分析方法
買掛債権回転期間をチェックする
2.買掛金のファイナンス
第三者金融機関を通じて買掛金をファイナンスすることです。
利点
買掛金の支払いにキャッシュを利用しないため、CFOを一時的に増加させることができる(つまり、CFOのタイミングの操作ですね)。
ステップ
①金融機関がサプライヤーに支払
②買掛金を支払手形に分類し直す:CFO↓ CFF↑(今期はCFOは下がるが、次期は上がる)
③支払手形を支払う:CFF↓
問題点
①一時的な改善にすぎない
②サプライヤーも支払条件を変えてくる可能性あり
分析方法
買掛債権回転期間をチェックする
次回で残りを紹介します。次回で、「SS10-2: Earnigs & cash flow manipulations」は終わります。