さて今回からリースです。リースには大きく分けて、借り手(lessee)のリース会計と貸し手(lessor)のリース会計があります。またそれらの会計もさらに細かく分かれます。そんな訳で、以下の項目をそれぞれ順に見てきましょう。
4.オペレーティングリース、ファイナンスリース
5.賃貸人側(lessor)の会計処理
6.オフバランスシートファイナンス
4.オペレーティングリース、ファイナンスリース
リースのメリット
①ファイナンスコストが安い
②借り手と貸し手の間の契約なので、契約条件が他のファイナンスと比べて厳しくない
③資産を所有しないので、老朽化のリスクはない
④リースのタイプによっては、オフバランスのファイナンスのケースもある
リースのタイプ
借り手:オペレーティングリース、ファイナンスリース
貸し手:オペレーティングリース、ダイレクトファイナンスリース、セールスタイプリース
これらはそれぞれ詳しく紹介します。
オペレーティングリース
以下の条件のひとつでも満たす場合は、ファイナンスリース(後述)になります。
①リース満了時点で、資産の所有権が借り手に移る
②割安購入権がある:借り手が資産を時価より安く購入することができる。
③最低支払リース料(minimum lease payment)の現在価値が、資産の公正価値の90%以上。
④リース期間が経済的耐用年数の75%以上。
③で現在価値を計算する時のディスカウントレートは、借り手の追加借り入れコストか貸し手の金利の低い方を使います(低い方が現在価値は大きくなりますね)。
オペレーティングリースの会計
これは簡単です。家賃の支払いみたいなものです。
①P/Lでリース料を計上
②B/Sには資産も債務も計上しない(ファイナンスリースとの違い)
③リース料はCFOのキャッシュアウトフローとして計上
全部オペレーティングリースならリース会計は楽なんですけどね。そうはいきません。次回はファイナンスリースを紹介します。