今回は、繰延税金に関する追加的なことを紹介します。


①繰延税金資産に関するUSGAAPとIFRSの違い

これは前回 も紹介していますが、確認のために再度紹介します。


USGAAP

今後の収益見込みが悪化して、繰延税金資産を活かせない可能性が出てきても、繰延税金資産はそのままフルに計上します。そして評価引当金(valuation allowance)でオフセットする形になります。


IFRS

今後の収益により、活用できると見込まれる分の繰延税金資産しか計上しません。


②繰延税金債務は債務なのか株主資本なのか

状況によって、債務と考えるべき時と、株主資本と考えるべき時があります。


株主資本

成長企業は繰延税金債務が継続的に発生し、その分税金を支払わなくて良いため、株主資本と考えましょう。


債務

成長が止まり、繰延税金債務が減少するケースは債務と考えましょう。


つまり、税金の支払いを先延ばしできるならば、株主資本で、そうでないなら債務ということです。


これで繰延税金は終了です。次回から、「SS9-4: Long-term liabilities and leases」を紹介します。