今回から「SS8-2: Understanding the Balance Sheet」を紹介します。B/Sの基本を理解していれば特に問題ないでしょう。B/Sの細かな点は、SS9で扱います。そんな訳で、私なりに重要と思う点だけをピックアップして紹介します。


SS8-2: Understanding the Balance Sheet

1.無形資産(Intangible assets)

以下の2つのタイプがあります。

①特定可能な資産:特許、商標、フランチャイズ、著作権

②特定不可能な資産:のれん


ポイント

①購入した特定可能な資産は、(原価-償却累計額)がB/Sに計上される

②内部で作成した特定可能な資産は、IFRSでもUSGAAPでもB/Sに計上されない


R&D(研究開発)

まさにR&Dは無形資産の代表例ですね。

①IFRSでは、リサーチ期間中は費用計上し、開発段階ではコストを資産計上できる

②USGAAPでは、通常は費用計上される


R&Dに関しては、IFRSとUSGAAPでルールが異なるので、経済的に同一な企業であっても、IFRSを採用する企業は、利益が高く、資産も高い、ということになります。


Goodwill(のれん)

のれんも重要な無形資産です。M&Aがらみで発生します。

①購入価格が、買収先企業の公正価値を超える場合、その差額がのれんとして計上される

②IFRSでもUSGAAPでも、のれんは減損テストを毎年行うこととし、償却は行わない


2.金融資産および金融債権(Financial assets and liabilities)

金融資産および金融債権がどのように測定されて(公正価値か原価か)、B/Sに計上されるのか、という話です。

カテゴリー分けして暗記してしまいましょう。


Fair value(公正価値)

金融資産

①Trading securities(売買目的有価証券)

②Available-for-sale financial assets(売却可能金融資産)

③デリバティブ

金融債権

①デリバティブ


Cost or Amoritized cost(原価か償却原価)

金融資産

①Unlisted instruments(非上場証券)

②Held-to-maturity securities(満期保有目的証券)

③ローン、売掛金

金融債権

①社債、支払い手形(note payable)


次回、Trading securities(売買目的有価証券)、Available-for-sale financial assets(売却可能金融資産)、Held-to-maturity securities(満期保有目的証券)をより詳しく紹介します。