「夏のつどい」 でお世話になった国立のギャラリーゆりの木 さんで開催中(今日9・23まで!)の
古知屋恵子(こちやけいこ)さんの木版画展を観てきました。
素晴らしい!のひとこと。
目移りしながら沢山買ってしまったポストカード。 (その一部をチラリと)
運よくいらっしゃった古知屋さんに、丁度お客様も途切れていたので作品についてのあれこれいろいろを伺うこともできました。
(その直後どどっとお客様が。ラッキーなタイミングでした!)
20歳の頃からつくってこられた絵本も並べられていて。
そのテーマも、ただ可愛い、優しいだけじゃない内容なのに(だから?)こども達も読みふけっていました。
ある日突然にお家を出て行けと故郷を奪われ、帰宅できず難民となっているパレスチナ人々の話。
偉い人、おとなたちがこどもたちにはいつも言っているのにそれとは真反対に行っていることの話。
たった今、日本におきている事だって、と深く感じずにはいられない内容。
今、日本に起きている事だって。
ほんとはあの日からはじまったことじゃなかったんだ。
ずっとずっと続いていたのに、声をあげてくれていた人だっていたのに。
ある日あの大きな震災と事故が起きたから、急に大きな事としてばれてしまっただけ、
見えるようになってしまっただけ。
福島がフクシマと呼ばれるようになってしまった311の原発事故を知り
いてもたってもいられずに制作されたという”げんぱつかるた”も並んでいました。
これはすごい作品で、アートを扱う人だからこそできるもの。
よくつくられたなあと思う、多くの方に見て欲しい作品です。
カルタってこどもたちが楽しむもの。
でも今、日本のこどもたちがこれをして遊ぶことになってしまった。
見る人が見たらあまりにも笑えない、とても悲しい事態。
五感で関知できない大変なあれこれを、想像力を忘れたおとな達はもうすんだことだと、
考えるのも面倒だし忘れたいからと、まるでもう何事もなかったように見ず、せず。
思いをよせることすらもなく知らんぷりしているおとなだって。
もうそうせざるを得ないくらいに人生の大変な状況にいる人、置かれてしまっている人だって。
それは逃げ切ることで完全犯罪にできると知っていて愚かに権力を振るっている人達だけではなくて、
それを許し、今からでもできる小さな事も何もせず、
自分達だけの為の目先に甘んじ享楽にふけっている、弱さに甘んじている私達が重ねようとしている
大きすぎる罪なのかもしれません。
でも、その結果は誰に行くの?
でも重い内容ばかりじゃないんです。
むしろくすっ!と、ふわっと楽しい!すごく元気になれる作品が一杯!
日本の宝だ!と思える作家さんにまた一人お会いすることが出来て、とても嬉しいです。
作品はもうどれもこれも素晴らしいのですが、特にこの”結婚式”という作品は
むすめも私も超気に入り。 (お化けの新婦と人間の新郎との結婚式なんですよ!)
子ども達にもむかし子どもだった人達にも見逃して欲しくない、素晴らしい展覧会!
今日までです!
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●「もちはこべる小さな絵」展 at 函館 荒巻裕子 2012.10.20~