大学時代、同じアトリエで共に日本画を描いていた友人、竹川リサさんが出品している,
画廊企画グループ展です。
学生時代は本当に恵まれていたなとつくづく思うのは
すぐ隣に同じ思いを共有している友人たちがいてくれたこと。
描くテーマも目的もおそらく違っていたか思いますが誰に強制されたわけでもなくただひたすら
自分の思いや葛藤をなんとか表し形にしていく。
それは楽しい作業でもあるけれども、真剣に取り組めば取り組むほどに深遠で
孤独な作業で時にとても苦しく。
でも同じ空間で友がそれに懸命に向っている姿を側に見つつ
励ましあいながら、己の道に取り組めていたこと。
絵というのはその作品制作の過程、葛藤を経ての完成も実際に目に見えることで感ずるものは大きく。
嘘も通用せず。だからこそお互い、言葉にならないけれど尊重しあい、切磋琢磨できていたような
貴重な学生時代でした。
この経験は本当に大きく、大学を卒業してからもう随分たち、結婚したり子どもがいたり
はたまた独身のまま邁進していたりなのですが
いずれにせよその友達の ”今” というものはいつも心の片隅で気になっていることなのです。
この絵の作者竹川リサはその友の中でも、持って生まれた才能に全く甘んじない取り組み方、
技術研究など全てにおいてあーかなわないなあ、とすごく尊敬できる作家。
友としても本当に大好きな人であり、大学時代は本当にお世話になったり
いろいろと楽しい面白い思い出が一杯あります。
中でもすごく忘れがたいことがあって、私は大学4年生の時その後作家活動をしてフリーで生きていく決意の為に「箱のなかの宇宙」という初個展を敢行したのです。
日本画(平面)、半立体、アクセサリーなどが内容の
思えば今私がしている制作スタイルの一番初めに繋がっているような個展でした。
が、その時は何せ全くの初めての事である上、逃げ場の無い個展(ひとり)。
そして大事な卒業制作とも同時平行するという無謀さ。
どろどろになりながらも制作、段取りを何とかし、そして明日いよいよ搬入、そして初日!
という段になって搬入の仕方に不都合が生じ、もう頭真っ白。
そのときに隣で制作しつつ私の過程も見ていた竹ちゃんが
自分の卒業制作をほっぽり出して助けに入ってくれ、 ボーっと涙目の私をよそに
まるでドラえもんのように作品を梱包してくれ「しゃけちゃんはこっちをこうして運びな! 私はこれを運ぶから!」などてきぱきと段取りを指示してくれ
おかげで無事搬入も成功、個展も大成功・・・という形に落ち着いたのでした。
その後、私のあれこれに助っ人に入って時間を割いてくれてしまった為と
またその研究熱心さによる瀬戸際になっての冒険も裏目に出たりして
今度は竹ちゃん自身の卒業制作について大変な状況が生じてしまい。
ここで私がかっこよく恩返し!・・・できたらよかったのですが、またなす術もなくボー。
竹ちゃん!わーどうしたらいいのーごめんーーーなどとただそばにいて見つめるだけという感じ。
竹ちゃんは、いいよいいよ、しゃけちゃんのせいなんかじゃない、
あーでもこれはーーーどうしようううう・・・・と、おろおろ。
もともと優しく謙虚すぎる竹ちゃんの性質の為に、他者に対しては力を存分に発揮するのに
自らの段取りや押し出し方になんとも弱点がある竹ちゃんが・・・窮地に。。。
と、そこへ恩師が登場、神のように対処してくれ何とかなったので良かったのですが。
思い出すとまるで昨日の事のようですがいずれにしてもその頃の絵も今も
仕上がった竹ちゃんの絵は彼女そのもの。
理屈はさておき本当に好きな絵なのです。
良い絵(作品)というのは目に見えるエネルギーの結晶というか、生き物と同じようなものだとも思うので、飾る環境をちゃんと整えられていない限り、なかなか気軽に持つことは難しかったりだけれど。
でも彼女の絵はほしいな!持っていたいな、と思う絵なのです。
ちなみに竹ちゃんの旦那さんも日本画家さんでその作品もまたすばらしく。
助け合いながら切磋琢磨もしているという作家同士、夫婦揃って出品されていて
こんな機会というのもそうはないのでまたとても嬉しく見られる作品展。
今日は最終日。 またのぞきにいくよ!竹ちゃん^^♪
●「第一回 座の会2012」 11:00~18:00(9月16日最終日)
JR立川駅南口からあるいてすぐ。立川郵便局隣です。
東京都立川市曙町2丁目14-34 042-523-1775