旅をするときの出会いって

人生にとても良く似ているなあと思います。



周到に下調べをしてからの旅、というものも勿論良いのですが

どこかに必ず余白を残しておくのはすごく大事な点で

あとは実際に行ってから新鮮にという形がいい感じ

けれども究極は、あえて下調べは殆どせず、着いてから直感に従って動くこと

そしてその場で出逢った方に色々と教えて頂く

というのがとてもいい出会い、経験に繋がるような気がしています。





福岡に着いた日、博多の街をブラブラとしていて出逢った

ごまダレ屋さんの02さんとお話をしているうち

私が作成した小物についてなどの事を知って

「ここがきっと合うと感じます、是非、行ってみて下さい。」と言って頂いた場所があります。


02さんは手作りの素敵な美味しいごまダレを作っておられる方。


出逢ったばかり、しかも長時間のやりとりではなかったにも拘らず

ものづくり同士のことばでは無い何かというのか、深く感ずるものがあり

この方がそうおっしゃって下さるのだから

私はその場所に是非ともうかがってみなくては感じた場所。




福岡を旅したのは年末年始で、もう閉まっているお店も多い時期。


でもその場所・・・ギャラリーさんの年内最終日が丁度聞いた翌日までとも知り

博多からどれくらいでつけるのかなどはよく調べぬままでしたが

住所情報はいただいているし大丈夫だろう、というか行かなくてはいけない場所であるから

たどり着けるであろうとはっきりと思い、出発しました。



宿を出、地下鉄に乗り、バスに乗り継ぎ。 

けれど乗りなれない地の乗りなれないバス。

どうも難しく、車掌さんに聞くと、

途中の停留所で更に降り乗り継がねばならないことが判明。





「年末年始でダイヤがあれなんですよね・・・

でも ここで一時間ばかり待ってればだいじょぶですからね」

と優しい笑顔を残し去る車掌さんとバス。






ひとり降り立ったバス停のまわりには田んぼ田んぼ田んぼ そして山。 

人っ子ひとり居ません。 


空も曇り始め、ひゅうと風までふいて来て立ち尽くす私。




おまけに故障しかかった携帯電話まで状態が危うくなり

よく考えたら滞在しているホテルの名前もはっきり思い出せない!








そこにすうっと一台の車が。




「あんた ドッから来たの!何してるの?」 と。




「・・・・ええと  カクカクシカジカ・・・で、ここでバスの乗り継ぎを待っています」。




「えー、何いってるの、 かなり遠回りだよ バスもあんまり来ないし。

 

 そばまで送ってあげる。 のりんしゃい。」








人生初のヒッチハイクというのでしょうか。



そういう意味ではかなり慎重なほうなのですが

このときに限っては車に乗せて頂くということに何の不安も感じず、

ただ言われるままに乗らせて頂きました。




乗せてくださったのは博多から越されて来てのんびり田舎暮らしをしているというご夫婦。


でもこの付近の事は車があってもまだ良くわからない程、のんびりしたとこであるということなどを

話してくださり

気が付けば私も何故いま福岡を旅しているかや、家族や親戚の話を色々し

震災のことではこれから九州が何とか頑張らなきゃといった話などをして下さりつつ

運転手さんは、ギャラリーがあるというあたりにはいった事があるものの

はっきりは覚えていない為、この道じゃないか いやこっちだろうと言いつつしばし・・・



そしてついに目的地の目印ですと伝えられていたところに到着。





お礼を伝えるも、 じゃあ 元気でね! と さらっと立ち去られ

こんなにありがたいこともあるんだなあ・・・としみじみと思いながら居ると

発つ前連絡を入れておいたのをちゃんと覚えていて下さり

スタッフの方がわざわざ歩いてお迎えに来てくれました。







山の木々から発せられるらしいフルーティーな香りがあたりにたち込める坂を少し登ると

見えてきた感じの良い建物。

工芸のギャラリー、梅屋 さんです。





しゃけの時々日記




たどり着けホッとした上、

スタッフさんのお心遣いにまた感動

しばしボーっとして心が落ち着いてからやっと店内を見回せたのですが


木の香りや質感すべてがとてもとても美しい。





しゃけの時々日記



しゃけの時々日記



しゃけの時々日記


この時は益子をはじめとした選りすぐりの作家さん達の陶やガラスものが並べられていました。


場所や質、並べ方も量も何もかもがきちんと調和をとって揃えられてはじめて

こうした良い空間が構築されるのだとあらためてわかるような場所。





暫く店内の雰囲気に浸っていると、噂を聞きつけてはるばるここにやってきたという

台湾からの観光のグループのお客様もいらして。


見るからに良いセンスな感じのそのかたがたは

静かに喜びながら店内の日本の美しい手仕事のものを愛で

次々とお品物を選んでおられました。


そんな光景を見ることができこちらまで嬉しく





するとスタッフの方から

実はすぐそばにもうひとつ姉妹店があるとのこと


言われるまま、こんどはそちらに伺うことに。



                                                      






                                                       つづく