其れはそれ 此れはこれだと 割り切って
静かに引けば それで終りに
農作業の途中に,何となく,其れはそれ,此れはこれだと,割り切ってとの,上の句が閃いたので,詠んでみたのですが,
以前にも,同じような言葉を使っていたと思い出して,家に帰って,パソコン内を検索したら,
其れはそれ 此れはこれだと 割り切って
未練断ちても 影は寄り添う
との一首を残して(投稿)おり,同じような思い(上の句)に立ち返ってしまう自分に,ふと微笑んだのでした。
さて,静かに引けば,それで終わりにとは,寂しき言葉なのですが,
人生には,ふと「ここで静かに引けば,すべてが終わるのではないか」と思ってしまう瞬間があるようです。
それは必ずしも弱さではなく,むしろ心が限界を知らせているサインのようなものであり,
静かに幕を下ろしたくなる気持ちは,長い緊張であったり,積み重なった疲れとか,人に言えない悩み,期待に応え続けた日々とかが重なったとき,内なる声は「ここで休みなさい」と語りかけるのかも知れません。
しかしながら不思議なことに「引きたい」と思った地点を静かに通り過ぎてみると,心に新しい風が通い,歩みが自然と軽くなってゆくと思われるのです。