五月晴れ 鍬の音ひびく 田の畔に

   土に尋ねて 我こそ百姓

 

 五月晴れの一日でした。

 

 この晴天に恵まれて,予定していた野菜を育てる畝を作るため,まずトラクターで畑を耕し,続けて耕運機で畝を立て,最後に鍬を使って整地をしておりました。

 

 鍬を握る手つきは,すっかり板につき,汗ばむ額をぬぐいながら,ふと見上げれば,澄み渡る青空には,ひばりが軽やかに飛び交っており,

 

 今日の仕事が終われば,次はいよいよ田植えの準備だなと,自分に言い聞かせながら土と戯れるひとときに,自然と心もほぐれていったのです。

 

 今回の一首は,鍬の刃先が石に当たった瞬間に,何となく閃いたのですが,

 

 職場を早期退職して,気づけば十七年が過ぎ,専業農家というわけではありませんが,それでも「土に尋ねて 我こそ百姓」と詠みたくなるような日々を重ねており,

 

 この手で耕すという営みを,これからも大切に守り続けたいと,改めて噛みしめていた一日でもありました。

 

 ところで,以前にも「百姓」で,以下の3首を詠んでおりました。

 

 穴開きの 靴下履いて 野良仕事

   どん百姓が 板に付をり

 

 寒くとも 畑に行けば 元気出る

   それが百姓 今は土作り

 

 汗だくで ほろ汚いと 言われても

   百姓なれど こころは錦