ひたすらに 無でありたいと 願いつも

   雑念起きるは 妙なことかな

 

 夜中に目が覚めて,心を静め無心になろうとした時に,思い付いた一首であるところ,

 

 無になることを願いながらも,心に雑念が湧いてくるという矛盾は,

 

 仏教的な煩悩や,瞑想中の集中の難しさと似ており,

 

 誰にでも起きる,心の状態であると思われ,

 

 真に「犬追えども去らず」の状態なのでしょうが,

 

 生きている限り,雑念や様々な思考が浮かんでくるのは避けられず,それもまた人間らしさの一部であると考えていたのです。