農道に 人かと思う 案山子かな
   久谷の里は 今日も春色

 東からの,黄砂返し(造語)かと思われる,強い風の吹いていた,一日でした。

 午前中に浄瑠璃寺へお参りに出掛け,午後からは畑にて夏野菜を植える畝作りを行っていました。

 三坂路の中腹辺りから,遍路道を下り,久谷の里へ着いたなら,人と間違えるくらいな案山子の出迎えを受けることとなり,道端や庭先の心温まる(ほのぼのとした)案山子に見送られ,車で8分くらい走っていると,四国霊場第46番札所浄瑠璃寺へ到着します。

 山里に建立された浄瑠璃寺には,正岡子規も訪れたのか,山門の左側に「永き日や 衛門三郎 浄瑠璃寺」との句碑が残されており,往時を偲ばせてくれるのでした。

 階段を上り,本堂と大師堂でのお参りを済ませ,牡丹園のある本堂の裏へ足を運び,咲き始めた牡丹(ほとんどが蕾の状態でした)と,満開の桜を眺めながら,
 以前に詠んだ(2019/4/11)
  空晴れて 桜吹雪や 浄瑠璃寺
   本堂裏では 牡丹咲始め
 を思い出しつつ,今回は,案山子の一首としてみました。

 本日においては,強風が終日吹いていた松山平野でしたが,久谷の里では,地形の関係なのか風は静かで,大自然の景色が,何となく春色に感じられたのです。