裁判員制度は必要か
裁判員制度の施行から3年が過ぎた。
同制度についての詳細は専門家に任せるとして,法律家でない一般市民が何故に刑事裁判の裁判員として陪席する必要があるのか,この制度に対し疑問を抱いている。
ヨーロッパの諸国では参審制が採用されているようだが,日本国では旧刑法下において大審院長であった小島惟謙が司法権の独立を擁護し,以来我が国においては独自の法文化が形成され今日に至っている。
ところが,どこで歯車が狂いはじめたのか裁判員制度が制定され,衆議院議員選挙の有権者から無作為に選ばれた裁判員が,合議制裁判を必要とする事件に対し,裁判員として刑事裁判に参加するよう定められた。
実は我が家にも裁判員の候補者になったとの封書が2通届いたが,諸般の事情で辞退した事があった。
裁判員制度については「皆で裁けば怖くない」この言葉につきると考えている。
さて裁判官として任務を遂行するなら,時には命がけで職務に専念する覚悟が必要であろうし,退官後も隠遁生活するくらいの信念があってこそ厳しい刑を科する事が出来るのではなかろうか。
それが裁判官としての使命であり,裁判員制度は不要である。