太陽の自転軸のパラメーターP,B0,L0を「計算で」求める (6) | 池袋駅南口の天文計算

池袋駅南口の天文計算

小望遠鏡とデジタルカメラを使った天体観測とExcelでできる天文計算のブログでした (^^;;
新規の記事は書きませんがよろしくおねがいします m(._.)m

太陽の自転軸を表すパラメーターP,B0,L0の求め方を考え始めたのですが太陽の中点の日面緯度((月の中点の)月面緯度)B0の求め方を書いてから二ヶ月以上ほったらかしにしてしまいました (^^;;

今度は「地球から見た自転軸の向き」Pの求め方です。
(「天文年鑑」的な表現だと「自転軸の北極方向角}?)

太陽の自転軸や黒点の記事は最近ぜんぜん書いてなかったのになぜ再開するかというと観測地での月の自転軸パラメーターを求めたいためです。この自転軸のパラメーターの考え方は太陽でも月でも他の惑星でもぜんぶ同じです。ただ月についてということで書くと話が進めづらいところがあって太陽の自転軸というテーマでやっています。

------

Pは一言でいうと地球と太陽(月)の自転軸がなす角です。正確にいうと地球と太陽(月)を結ぶ直線に直交する平面に投影された地球と太陽(月)の自転軸がなす角ということになります。

したがって次のようにして求めます。

  太陽(月)の自転軸の向きからその方向余弦を求める

  座標を太陽(月)の視赤経の分だけz軸の回りに回転する。
  こうすると地球と太陽(月)を結ぶ直線とy軸が直交するようになります。

  座標を太陽(月)の視赤緯の分だけy軸の回りに回転する。
  これによって地球と太陽(月)を結ぶ直線はyz平面になりますと直交します。
  また地球の自転軸の投影は以上の回転だけを行ったときはz軸に重なります。

  したがって太陽(月)の自転軸のyz平面への投影のz軸となす角を求めればそれがPになります。
  座標の回転を二回行ったあとの自転軸の向きの方向余弦をL,M,Nとすればatan2(N,M)がPです。

もし月の自転軸の向きがわかればこの方法で任意の観測地から見た月の北極方向角を求められることになります。

計算例
$池袋駅南口の天文計算
このときの太陽のPは

  「国立天文台 - 暦象年表 - 太陽の自転軸

によれば14.68度でした。

上記の計算を行ったExcelのファイル
  「太陽の自転軸(P,B0).xls

--------

関連記事

  「太陽の自転軸のパラメーターP,B0,L0を「計算で」求める (1)」 編集
    ある時点の太陽の自転軸を表すB0から任意の時点のB0をどう求めるか考えていたら....
  「太陽の自転軸のパラメーターP,B0,L0を「計算で」求める (2)」 編集
    「太陽の自転軸の方向」がわかればそこからB0などの太陽の自転軸向きを表す量との
    関係がわかりそうです。
  「太陽の自転軸のパラメーターP,B0,L0を「計算で」求める (3)」 編集
    実際に国立天文台の暦でB0を計算してみました。でも正しい結果が得られません。
  「太陽の自転軸のパラメーターP,B0,L0を「計算で」求める (4)」 編集
    NASAジェット推進研究所の暦を使って求めたB0は国立天文台の数値と一致しました。
  「太陽の自転軸のパラメーターP,B0,L0を「計算で」求める (5)」 編集
    国立天文台の「自転軸の方向」は計算に必要な精度がなかったのがB0の不一致の原因でした。
  「太陽の自転軸のパラメーターP,B0,L0を「計算で」求める (6)」 編集
    北極方位角Pの値を求めます。

  「極座標と直交座標の変換(方向余弦) (1/3)」 編集
  「極座標と直交座標の変換(方向余弦) (2/3)」 編集
  「極座標と直交座標の変換(方向余弦) (3/3)」 編集

  「度分秒・時分秒と度との変換(1)」 編集
  「度分秒・時分秒と度との変換(2)」 編集

  「「内積」というもの」 編集