副田恵理子先生(藤女子大学 日本語・日本文学科 教授)
日時:2025年1月9日(木)15:05-16:45
場所:ZOOM開催
演題:「日本語学習者が必要としている書く(打つ)コミュニケーション・スキルとは」
2025年1月9日に、藤女子大学日本語・日本文学科ご所属の副田恵理子先生がZoomでご講演をしてくださり、日本語学習者に必要としている書く(打つ)コミュニケーション・スキルについて拝聴させていただきました。
ご講演の前半では、教室における日本語学習者への「書く」指導の具体例をもとに、学習者のニーズに応じた「書く」指導の難しさと教師側の「書く」指導方法の養成の難しさとともに、「書く」プロセスで生じている時代に応じた「打つ」までの変化の流れについても紹介してくださいました。
ご講演の後半では、書く(打つ)コミュニケーションを「メールやSNSを介したコミュニケーション(CMC)」という視点から紹介してくださいました。推薦状依頼メール、LINEでの「待ち合わせ」場面やLINEでの絵文字やスタンプの使用状況といった例から、メール・SNSの種類、世代、場面による違いと言語行動の変化がわかりました。また、講演の参加者が各々日本語母語話者や非母語話者の視点から、提示された日本語学習者の言語使用の解釈について話が盛り上がりました。このような活動を通して、これからは「書く(打つ)」により具体的な状況に置かれたミュニケーションに求められるスキルに関する理解が深まり、学習者はなぜ・どのような状況で、どのように「書く(打つ)」のか・抱えている問題・打つコミュニケーションの学習者に与える影響などについて再考が促され、視野が広がりました。
今回、副田先生は講演のご要望に応じていただき、参加者に大きな学びを与えてくださり、誠にありがとうございました。
≪主な御著書≫
【書籍】
・副田恵理子(2022)『社会を築くことばの教育:日本語教員養成のこれまでの30年、これからの30年』ココ出版
・Yukiko A. Hatasa&Eriko Soeda (2000)"Writing Strategies Revisited: A Case of Non-Cognate L2 Writers",Social and cognitive factors in second language acquisition:selected proceedings of the 1999 Second Language Research Forum.Cascadilla Press
【論文】
・鎌田 美千子,副田 恵理子(2024)「日本語教員養成課程で扱われる書くことの指導の現状と課題―担当教員が感じる難しさに焦点を当てて―」『大学日本語教員養成課程研究協議会論集』(21),pp.17-36
添付:講演のポスター(コバ研より作成)、講演中の写真