加藤重広先生(北海道大学大学院文学研究院・教授)
日時:2021年7月21日(木)14:45-16:15
場所:Zoom開催
演題:「語用論をどう使うか考える」
7月21日に、北海道大学大学院文学研究院にご所属の加藤重広先生がZoomでご講演をしてくださり,語用論の意味、歴史、発話に関する理論について拝聴させていただきました。
ご講演の前半では、「統語語用論」という領域がどのように提案されたのか、文脈の分け方とそれぞれどのような特性があるか、発話の解釈から引き出された推意は何かなどについて伺いました。その中、加藤先生は一般会話推意(GCI)と特殊会話推意(PCI)を具体的な例と合わせて、二つの概念の違うところを詳細に説明してくださいました。
ご講演の後半では、主に語用論の角度から日本語の分析方法を伺いました。例えば、Aさんの「この商品,明日からのセールで半額になるらしいよ」 に対して、Bの「知らなかった」という答えには、「私は当該情報を過去において(今まで)知らなかった」、「私はいま当該情報を初めて知った」という意味が含まれていることを推意から分析できる。日常生活での会話例を語用論の視点からどのような分析を行えるか伺うことができました。最後に、質疑応答の時間では、加藤先生にゼミ生が事前に提出していた、先生のご著書『はじめの語用論:基礎から応用まで』に関する質問をお答えいただきました。
コロナ禍の今、オンライン講演のご要望に応じていただき、参加者に大きな学びを与えてくださり、誠にありがとうございました。
≪主な御著書≫
『日本語文字論の挑戦』勉誠出版、2021年
『新しい語用論の世界』研究社、2020年
『動的語用論の構築へ向けて 第2巻』開拓社、2020年
『はじめての語用論:基礎から応用まで』研究社、2020年
添付:当日のポスター、講演中の写真1枚