石黒圭先生(国立国語研究所教授、一橋大学大学院言語社会研究科教授)

日時:2021年07月15日(木)15:00-16:30

場所:Zoom開催

演題:「中国人日本語学習者の文章理解における意味推測のストラテジー—指導の改善方法を考える—」

 

  7月15日に、国立国語研究所・一橋大学大学院言語社会研究科にご所属の石黒圭先生がZoomでご講演くださいました。

今回のご講演では、多義語における固有名詞のお話から始まり、読解力における推測能力、語彙理解における4種の手がかり、語義推測の指導法について大変興味深い知見を拝聴することができました。

ご講演では、「日本語非母語話者の読解コーパス」を紹介してくださり、読む活動における中国人学習者と日本人の視線を可視化することによって、それぞれの読み方の異なりが一目瞭然になる研究の手法およびその成果について伺いました。また、語義推測について、当該の語自体から得られる語彙的手がかり(①派生的手がかり②語構成的手がかり③表意的手がかり④表音的手がかり)、当該の語の前後の文脈から考える構造的手がかり(⑤連語的手がかり⑥統語的手がかり⑦共起的手がかり⑧関係的手がかり)について詳しくご説明してくださいました。

学習者の読解力に必要な語彙力は、語彙の量だけではなく、語義を推測する能力であると分かり、日本語教育指導上の要点として知っておくべきだと勉強になりました。

 コロナ禍の今、オンライン講演の要望に応じていただき、また参加者に大きな学びを与えてくださり、誠にありがとうございました。

 

 

≪主な御著書≫

『リモートワークの日本語 : 最新オンライン仕事術』小学館、2020年

『段落論 : 日本語の「わかりやすさ」の決め手 』光文社、2020年

『語彙力を鍛える 量と質を高めるトレーニング』光文社、2016年

『この1冊できちんと書ける! 論文・レポートの基本』日本実業出版社、2012年

 

 

 

添付:当日のポスター、講演中の写真1枚