妊娠したら、誰でも出産するんだって思ってた。
(なんで私を産んだの?)
なんて思ったこともあった。
(どうせわたしのことなんて産まなきゃよかったと思ってるでしょ?)
とか、思ったことある人いっぱいいると思う。
でもね、実際妊婦になってみると、そんなに簡単じゃなかった。
妊娠初期はつわりで苦しみ、
3ヶ月までの間に流産する可能性なんて6人に一人ぐらい。(わりと高いことにビックリ)
やっと4カ月でつわりおさまったかと思えば出血して、吐き気のある薬を飲み続け、外出もできない。
5ヶ月には出血もおさまりひと安心と思ったらお腹が目立ちはじめ、お腹が張って風船みたいになると皮膚が苦しい。
6ヶ月で胎動が激しくなり、ようやくお腹に人間がいると実感。
7ヶ月もお腹がパンパン。だんだんしんどい。
8ヶ月は仕事きついし体重いし。人間の動きをつねに実感。お腹に話しかけ始める。まわりの音に反応して蹴ってくる。
私はあと2ヶ月。死にそうな痛みに耐えてみんな出産しているし、実際亡くなってしまう場合もある。
10ヶ月って、けっこう長いよ。
この世の人間みんな、お母さんのお腹の中で、最低でも7カ月~10ヶ月はお母さんと一心同体だったんだよ。
その間、流産や死産の危機を逃れ、激痛に耐えて命がけで、やっとこの世に産まれてきたんだよ。
もし、お腹の子供が産まれて、10年20年して、「死にたい」なんて思ったら、私は悲しくてしょうがないと思う。こんなに人生で一番苦しくも貴重な体験をして産んだのに。
産まれてくる命に対してはみんな、希望を持っている…。
みんな、妊婦さんには優しい。席を譲ってくれたり、嬉しそうに話しかけてくれる。
きっとこの世の人間みんな、そう。まわりの人達に楽しみにされ、見知らぬ人に微笑まれ、希望を持たれたはずなんだ。
一人で勝手に生まれてきたひとなんていない。
たまに赤ちゃんが捨てられていたとか、ニュースになるけど。
それはひどい話だ。
母性が出なかったんだろう。
ほしくてもできない人もたくさんいる中で、なんの不自由なく産まれてきたひと達は、当たり前でなく、奇跡なんだなと思った。
たまに、障害を持つひとを差別する人もいると思う。
でもね、そうゆう人が珍しいんじゃない。
ちゃんとこの世に産まれてこれて、成長してこれたことのほうが奇跡なんだよね。
当たり前と思っちゃいけない。
そう、妊婦になって気づいた。