忙しいから、もう野菜を作ったりはやめ!と決めて、森にする計画(?)にしたのに、何もしない去年1年間があまりにさびしく、反動が来た。
土を買い、春先、狭い我が家の猫の額ほどの庭にあれこれ植え付け。
私の適当なガーデニングをからかうのが趣味の近所のおじさんにめざとく見つけられる。「どうしたの、また盛り上がってるじゃない」「でもこんなに木が茂っていたんじゃさ。やることが逆だよね」ごもっとも。
日当たりがいまひとつなので、育ちが悪い。それでも太陽を求めてきゅうりはあらゆるところにツルをのばし、木にきゅうりが成っている。2階のベランダで育てているミニトマトは甘い。しかし押し合いへし合い、世話する私も壁にぶつかるしで、わき芽をかいたり、じょうろで水をやったりするのも一苦労。
それでも、いろいろとできて、日々の食卓を賑わせてくれているからありがたい。
猛暑の中でも健気に育ってくれる野菜を見ているだけで、心が満たされる。
上からみた庭の畑(?)
借りた畑
ダンサーで、『たそがれ清兵衛』等で俳優として知られる田中泯さん。
山梨で農業もされている。
小麦やじゃがいも、茶なども作るという本格派。
インタビュー等で畑を耕し種をまく様子を見て興味をひかれ、著書『ミニシミテ』を読んでみたら、「農のくらし」の章には農業への思いが熱く書かれていて、私も畑やりたいという気持ちを抑えきれなくなった。
もっとも印象に残ったのは、すべてが借地であるということ。石積みをし、先人たちが過酷な労働をして作られた田畑、「その土地を所有することなど考えもしないことだ」と。
そして自らを、「お百姓さんを一人勝手に任じている僕の体たらく」と。
哲学的な表現もあってやや読みにくい部分もあるけれど、著者の身体感覚から発せられた言葉、とても心にせまってくる。
「いつの日か、僕も専業のお百姓さんとして農の歴史に加わりたいと思っている。願っている。一本の木でも語り合うには余りある、一本の草でも時におじぎをしたくなる、そんなお百姓さん(ヒト)に成りたい、それが僕の愛するオドリでもある。地球の空気の危機を知ってか知らずか、権力と経済に脳を奉公させる生き物よ、出直して来い!」
『ミニシミテ』講談社
年輪を重ねた大樹のような威厳と存在感。こんな役者さんはいないから、田中泯さんは映画界で引っ張りだこだ。でも私はフクザツ。
田中泯さんが農の世界に戻れる時間がありますように。
あっという間に終わってしまったカサブランカ



