スポーツ少年が勉強の大切さに気付く時 | Minahei

Minahei

ライター戸塚美奈のブログです。

☆『サッカー母ちゃんのドタバタ日記』2011年11月のブログです☆

 


「こないだね、ウチの息子にね、事件があったんだよ!」

 

本にも書いた(「勉強と部活は車の両輪」)、高校の軟式野球部で活躍している息子さんを持つ友人に用があり、
電話したら、開口一番に。

 

「全国大会のメンバーで落とされたのよ。

地方大会まではメンバーだったんだけど、全国大会はエントリー人数が一人少なくてね。

誰が落とされるんだろうと思ってたら、うちの息子だったのよ!」

 

まさか、だったらしい。

「でも、監督の先生の深い考えがあってのことでね。

こいつには足りないものがある、それに気づかせたいっていうのがあったみたいで。

 

メンバーから外れることを告げられた日、先生がハンバーグかなにかご馳走してくれてね。

『自分にとって野球とは』とか、長時間いろんな話をしてくれたらしいの」

 

「その日から、あの子、変わったんだよ!

こないだ寮に会いに行ったら、目の色が変わってた。

 

野球のためには勉強もしなきゃいけない、って気づいたらしいの。

やっと!!

 

『オレ、なんで、中学の時、あんなに勉強しなかったんだろう』

って」


 

野球をやるためには、野球だけやっていてもダメで、人間的に大きく成長しなきゃいけない、

 

そのためには勉強もしなければいけない。

 

そのことに初めて気が付いたそうなんです。

 

「だから母さん中学の時からずっとそう言ってたでしょ」

って言ったら、

 

「そうだっけ? 中学のときは意味わからなかった~」

って言ってたらしい。

 

「結局、自分で気づかなきゃ、ダメ、ってこと?」

と言うと、

彼女、声を大きくして、

 

「そう!! でね、思うんだけど、スポーツしてる子はやっぱりいいよ。

気づくきっかけいっぱいあるし、先生や仲間がいるじゃない。

それに、体力あるから、いったん気づいたら行動力はすごいんだよ」

 

なるほどな――。

 

「思春期の男の子なんて、何を言ったって聞いてないし、反発するし。

どこかでドカンと落ち込むとか、考えさせられることがあって、

自分で気づくしかないよ」

 

「高2で気づいたのは、すごいラッキーだよね。

どうしよう、うちの息子たち、ずーっと気づかなかったら!?」

 

「まだ中1と中2でしょ? 絶対大丈夫だって!! サッカーやってるんだから」


 

友達の太鼓判にほっとして電話を切ったものの・・・・・・・・・。

 

試験直前なのに、「息抜き!」と称して漫画を読みふける息子たちに不安がいっぱい……。

「いつか気づく、いつか気づく」

 

と呪文のように言い続ける母ちゃんでした。


 

(彼女の息子さん、3年生引退後、エースナンバーをもらったそうです)