「そのままにしておきなさい」 | Minahei

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ライター戸塚美奈のブログです。

先日の永野むつみさんの絵本の会で。


永野さん、最近、桐野夏生さんにハマっているのですって。

人間には悪い部分がある、自分にもものすごく悪いところがある。

ところが、今現在、自分の周りにいる人たちは、みんないい人ばかりで、そのことに悩むことがあるのですって。


みんな、私のこと誤解してる、って。

朝起きたら、玄関のところに人参がおいてあって、まあ、うれしいわ。


そういう生活の中にいると、自分が許せなくなるって。

そんな生活にはふさわしくない、まったくどす黒い人間だって。


そのギャップを、桐野さんの小説は救ってくれるって。


そんなことを話す永野さんは、いつもに増して、あたたかくて。

心にしみるお話が多かったです。



ホントは

誰だって腹黒い部分や汚れた部分を持っていて、

それらを隠し、とりつくろいながら、生きてるんですよね。


なんだかこないだから、私も

いろんなゴタゴタ、解決しなくて、気持ち悪くて気持ち悪くて。


きちっとけりをつけなければと思っていたけど、

そうじゃない。


なんかそういうの、

ズルズルひきずったままでいいんだ、と、さっき思った。


サッパリしたい気持ちはあるけど、無理に断ち切るのはダメだ。


次男が、ビートルズの『レット・イット・ビー』を英語で歌ったようで、その歌詞プリントを持ってきてくれた。

レット・イット・ビー、

「そのままにしておきなさい」


しっくりこない訳だなぁ、ヘンじゃない?、と思いながら、英語のほうの歌をくちずさんでるうちに、なんかこの和訳の歌詞がしみてきて。


だれにでも間違いは、ある。

間違いは、訂正し、謝罪する。

でも、

そういう手だてを講じることができない場合も、いっぱいあって。

そういうとき、

自己嫌悪に陥ったり、なんだかすべてをリセットしてしまいたくなる。


でも、そこで、

レット・イット・ビー。


解決は、時間がしてくれるんですよ、たぶん。


ズルズルと抱えていくことで、たぶん、人にもやさしくなれるだろうし。

つらい気持ちはしかたない。

レット・イット・ビー。


桐野さんの本、買ってこよう。