ゲイのみなづち(@minaduchi)です。
クリスマスの街は、カップルたちの幸せで溢れています。
イルミネーションの下で手を繋ぎ、寄り添って歩く恋人たち。それは多くの人にとって「当たり前」の光景です。
でも、その「当たり前」から排除されている人たちがいます。10年連れ添っても、人混みでは他人行儀に歩かなければならない同性カップルです。
クリスマスの街で「他人」を演じる二人
イルミネーションが街を彩る12月。
恋人たちにとって、一年で最もロマンチックな季節。
でも、ある同性カップルにとって、この季節は「隠す」ことへの意識がより強くなる時期でもある。
僕たちは10年一緒にいる。
一緒に暮らし、一緒に笑い、一緒に泣いてきた。
でも、クリスマスの人混みでは、少し距離を空けて歩く。
周りには手を繋いだカップルがたくさんいる。
肩を寄せ合い、幸せそうに微笑み合っている。
僕たちだって、本当はそうしたい。
でも、「男同士で手を繋いでる」と思われることへの恐怖が、いつも心のどこかにある。
職場のクリスマス会で、同僚が聞いてくる。
「彼女いる?」。
悪気はないのだろう。ただの世間話だ。
「いないよ」と笑って答える。
嘘じゃない。彼女はいない。
最高の彼氏がいるだけだ。
でも、その「だけ」が言えない。
言えないことへの罪悪感が、胸の奥でじわりと広がる。
帰り道、人通りが少なくなった街で、彼がそっとコートのポケットに手を入れてきた。
外からは見えない。
誰にも気づかれない。秘密の体温。
こんな小さなことでさえ、隠さなければならない。
僕が欲しいクリスマスプレゼントは、繋いだ手を隠さなくていい世界だ。
約9割が「誰にも伝えていない」現実
フィクションで描いた「隠す」という行為は、決して特殊な経験ではありません。厚労省関連の調査が、その深刻な実態を示しています。
厚労省関連の調査では、LGBで「今の職場で誰か1人にでも伝えている」割合は7.3%。
つまり、92.7%は"今の職場で誰にも伝えていない"状態です。
毎日長い時間を過ごす場所で、自分の大事な一部を隠し続ける。これが、当事者にとっての現実です。
「彼女いる?」が沈黙を強いる
「彼女いる?」という質問自体は、悪意のない世間話です。
しかし、この質問は異性愛を無自覚に前提としています。
この質問に対して、ゲイ男性は「いない」と嘘をつくか、カミングアウトするかの二択を迫られます。
何気ない質問が、当事者に沈黙を強いる。これは悪意なき「構造的な圧力」です。
メンタルヘルスへの深刻な影響
「隠す」ことは、単なる不便さではありません。メンタルヘルスに深刻な影響を与えています。
同じ厚労省関連調査ではメンタル指標(K6)でも差が出ています。
K6は心理的ストレスを測る指標で、点数が高いほど不調を示します。
10点以上で中等度、15点以上で重度のストレス状態とされています。
性的マイノリティでは、K6が「10〜14点:17.9%」「15点以上:13.2%」という数値が示されています。
全体平均と比べて明らかに高い割合です。
隠し続けることのストレスが、数値として表れているのです。
台湾が証明した「空気の変化」
「同性婚を認めても何も変わらない」という声があります。
でも、本当にそうでしょうか。アジアで初めて同性婚を法制化した台湾のデータを見てみましょう。
台湾では2019年5月に同性婚が施行されました。その前後の数年間で、社会の意識が大きく変わっています。
「同性カップルは合法的に結婚する権利を持つべきだ」という賛成は、2018年37.4%→2023年62.6%(+25.2ポイント)へ上昇。台湾政府系の世論調査が示しています。
法律ができると、"空気"も動く。そう言い切れるだけの変化が、データとして見えます。
台湾在住の日本人によると、「街中で堂々と歩く同性のカップルを見かけることが、日本と比べると多い」といいます。
法的に「家族」として認められたことで、人々は堂々と手を繋いで歩けるようになりました。
日本の司法と世論:確実に動いている
では、日本の状況はどうでしょうか。実は、司法も世論も確実に動いています。
2024年から2025年にかけて、同性婚に関する6件の高裁判決が出されました。
その結果、6件中5件(83.3%)が違憲判断。唯一の「合憲」は2025年11月28日の東京高裁判決のみです。
弁護団はこの判決を「性的マイノリティに対する誤解と偏見に満ちた、特異な判決」と厳しく評価しています。
高裁の判断は割れていますが、最終的には最高裁が統一判断を示す見通しです。
報道では、早ければ2026年にも判断が出る可能性があるとされています(時期は未確定)。
世論も後押ししています。日経新聞の調査(2023年)では、同性婚に賛成する人は65%。18〜39歳では83%が賛成しています。
台湾が法制化したときの賛成率は37.4%でした。日本はすでに65%。社会は変わる準備ができています。
まとめ:繋いだ手を隠さなくていい世界へ
クリスマスの街で、ポケットの中でしか手を繋げない。10年連れ添っても、人前では「他人」を演じる。これが、日本の同性カップルの現実です。
でも、希望はあります。
台湾では施行前後の数年間で賛成が25.2ポイント上昇しました。日本でも6件中5件の高裁が違憲判断を示し、世論の65%が同性婚に賛成しています。
太陽の下で堂々と手を繋いで歩ける世界。それは、決して遠い夢ではありません。
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そして、日常の中で「彼女いる?」という質問を見直してみてください。
「パートナーはいる?」という聞き方なら、誰も傷つきません。
小さな変化の積み重ねが、社会を動かしていきます。
この記事をもっと詳しく読みたい方へ
より詳しい情報は、ブログ記事で解説しています:
https://minaduchi.blog/christmas-holding-hands-same-sex-couple
この記事の元になった投稿はこちら:
https://www.threads.com/@minaduchi/post/DSdsgaCEvuT
参考資料
・厚労省関連調査(職場で"誰にも伝えていない"92.7%、K6メンタル指標)
・台湾行政院 世論調査(2018→2023で+25.2pt)
・日本経済新聞 世論調査(2023年2月)
・2025年11月28日 東京高裁判決(高裁で唯一の合憲)


