
恐ろしい夢を見た。
凄まじい暴力の挙句、殺されるのだ。
一切、性的な暴力はなかった。ただ、ひたすら殴られ、鮮血が飛び散り、頭に衝撃が走り、後戻りができないような決定的な痛みを覚えた。
妙にリアリティがあった。
薄れ行く記憶の中で、
「ああ、死ぬんだな」
と漠然と思った。
続いて、恋人と言い争うシーンになった。
振り向きざま、恋人の手に握られた包丁がわたしを襲った。
咄嗟にそれをかわしたものの2人は倒れ、もみ合いになった。
恋人の明確な殺意を感じたわたしは、それは当然のことだと思い、抵抗するのを止めた。
へたに抵抗して、深手を負って苦しむよりも、一思いに殺して貰おう。
そう思った。
「わかった。もう抵抗しないから、しっかりと殺してほしい」
わたしは、四肢の力を抜いて、大の字に横たわった。
次の瞬間、視界が真っ赤になった。
・・・・・・
どうして、こんな夢を見たのだろう。
あまりにも殺伐としている。
何かの予兆だろうか。
わたしは誰かにひどく恨まれていて、無意識下でそれを警告しているのかもしれない。
ずっと続いている身体的な変調が、いよいよ生命の危険水準にまで達したので、それを知らせてくれているのかもしれない。
いずれにせよ、せっかくの休日が重苦しい1日となってしまった。
何もする気がなくなって、ずっと自室に籠もっていた。
頭痛がする。
DVDをぼうっと眺め、それだけで夕方になってしまった。
「適用障害」というらしい。
この病気は一般にマジメで几帳面、内向的な人がかかりやすいと言われているが、もしそうならば、ちゃらんぽらんなわたしなんかがかかるとはとても思えない。
でも、主な症状にあげられている「肩こり」や「頭痛」などはまさにそのとおりだし、長引くと「うつ病」へと発展していく病気らしいので、心配になってきた。
対処療法としては、好きなことをして、ゆっくりと過ごすことだというが、DVDを観る気が起こらないのだから仕方がない。
エロチックな夢を見て、もやもやしていた方がずっとましだった。
こんな夢じゃ、小説の種にもならない。