そ~っと入っていって、入口近くの席に座る。
ごめんなさい、真っ赤なセーターとか、ごめんなさい。
どうか他のお客さんの邪魔になりませんように。
役者さんの集中力が途切れませんように。
小さな芝居小屋で30分も遅刻すると、こうなります。
ダウト、つまり"疑い"が不幸につぐ不幸を呼んで
"正しいこと"が間違っている場合もあるのですね。
信じた正義を突き進んで、その報いがマイナスしかなかったら
厳格でいつも断定的な校長シスターでも壊れるのですね。
心のどこかでは、疑いがウソであって欲しいと願ってたのかな。
というか、結局真実は何だったんだろう。
こんな空しい勝利を初めて見ました。
キャラクターがみんな素敵な人たちに見えるので
誰かが勘違いをしている、または騙している なんて思えない。
全員が、少なくともウソをついていないとすると
あの過去はただの誤解が生んだことだったのか、
つまりストーリー以前から"疑い"の物語は始まっていたのか
少人数のステージで、飽きることもなく すごく引き込まれました。
たぶん、脚本からして面白いドラマだったということと
人物描写のリアルっぷりが素晴らしかったせいかなと思います。
厳格なシスターを演じてるのにどこかチャーミングだったり
役者さんひとりひとりから滲み出る人間性が魅力的だった。
もともとダンサーなのにあそこまで姿勢を崩せますか。
社会的地位の低い、教養はないけど愛はある黒人の母親役とか
なんで「ピッタリじゃん」とまで思えちゃうんだろう。
稽古中の あの苦悩に満ちたブログは何だったのかと思うほど
「ほんとう」の時間が流れていました。
普通過ぎてゼロということもなく ドラマティックな舞台だった。
あの30分を取り返すために メリルストリープの映画版も観よう。

