7月7日に第一話 序章「嫁の失踪」から 足掛け2ヶ月 「最終章」です





最終章 「Sさんからの電話の内容は ・・・」




「10数年ぶりに どうしたんですか?」


「お元気かな?と思いまして」


全くもって 食えない人だ 何か意図がある


「今は どちらに?」


「札幌ですよ まさか10年振りにスカウトの話でもあるまいし 用件は?」


「先に仕事の話を振ろうと思っていたのに 相変わらず「察し」がいいですね」


「それで ご用件は?」


「別れた元奥様ですが ・・・ 実は昨年からまた取引がありまして」


「懲りない奴だな ・・・ 債務整理をしてるから 通常の会社じゃ借りられなくてオタクへ?」


「正確には 債務整理は不履行となり 「自己破産」しました」


「なるほどね それでSさんとこに連絡してきたってわけですか でもそれは


俺とは何の関係も無い「借金」ですが ナゼ?連絡を」



ただの世間話じゃない ・・・ 何か切り札「JOKER」を持っている?



「実は 元奥様に貸付するさい 保証人が必要だったので 娘さんに保証人になって


いただきました」



悪い予感は当るものだ  娘を保証人にした! あのバカ



「それで返済期限が過ぎても連絡もないし 連絡が取れない状態なので


もしかして 連絡先もしくは居所を知っていたらと思ってお電話したんですよ」



ここでわからない事は ただ一つだけだ


娘が本当に「保証人」なのかどうか? その1点だけだ


どうやって「探り」を入れるか?



「Sさんの所から いくら借りてるんですか」


「私の所で○万 後は 知ってるだけで数社金額は似たりよったりですね」



金額は大騒ぎするほどの金額ではない ・・・ となると


数社?というのは関連会社か?



「わざわざ私に連絡する金額とは思えませんが」


「一度 自己破産してる人間には会社には内緒の決済で済ませるんですよ


だから 出来るだけ早く連絡を取りたくて お電話したんですよ」


「珍しく Sさんにしては慌ててますよね 保証人がいるというのに」


「その保証人にも連絡がつかないから 電話したんです 娘さんが保証人ですよ


心配じゃないんですか?」



やっと答えが出た



「Sさん 元妻がオタクから借り入れしたのは 本当だが娘が保証人であるというのは


ウソだ!娘のキーワードから 回収しようと思って電話してきたんでしょう?」





「今回は顔が見えないから イケると思ったんですけどね ナゼわかったんです?」


「理由は2つ 1つは 顔が見えないから余計気にするのは 喋る早さです ましてや


Sさんは いつも同じスピードで喋ってました 間隔もほぼ等間隔で でも今日は違った


2つ目は 「同じキーワード」を繰り返した事です 「娘」という言葉で最初は私も動揺しましたが


ウソの定義に「同じ事を繰り返す」というのがあります 2度言って印象づける


でもこれは使い方を間違うとバレます その2つが重なった時「ウソ」だと思いましたね


ただ ヒマで電話してくるわけは無いから 借り入れの話は本当だと思ったんです」



「やっぱりアナタはこっちの仕事向きな方だ」


「俺は普通の一般人ですよ」


「福島で一括返済していただいた時に 私が言った事覚えてますか?」


「何でしたっけ?」


「覚えてないなら いいです 別に大した事じゃないんで」


「そうですね 覚えてないぐらいの事ですからね 」


「仙台に来る事があったら 連絡して下さい」


「当分予定は無いけど もし行く事があれば 一緒に飲みますか?」


「いつでもいいですよ 連絡お待ちしてます」


「それでは いつの日か」




電話を切った後 つくづく思ったのは



懲りない女だな~と同時に 「俺って見る目無いんだな~」でしたね










次回 「闇金 Sさんからの電話」 後書き編です (作家のつもりか!)








それでは  また  m(_ _ )m