第11章 「第一回調停」
やっと「第一回調停」の日が来ました
しかし ・・・ 債務整理の調停って? 何をするんだろう?
そんな疑問だらけのまま 裁判所へ行きました
調停はいたって普通の部屋?と言ったらオカシイですが
そうですね 10畳ほどの広さぐらいで 机と椅子があるだけの
殺風景な部屋でした
裁判所の職員が2名と専任の弁護士さんの3名が私の担当のようです
席に着くと 直ぐに「調停」が始まりました
「それでは ○○さんの債務整理の件 第○○○○の第一回調停を始めたいと思います
まず最初に 各社の「契約書」が送られてきてますので 全て確認をお願いします」
女性職員がクリアファイルの束を渡してくれました (本当に束という表現がピッタリでした)
私がまず確認したかったのは「金額」ではなく
「身分証明」に何を使ったのか?でした ・・・ やはり「予想」通りでした
使われたのは 「印鑑証明」でした これなら顔写真がないから本人になりすませば
立派な証明書ですよね
普段使わない「印鑑証明」のカード 財布から抜かれたって気付くわけありません
そんな事を考えながら 順に書類を確認している時でした
「ちょっと ・・・ 気になる事が一つあるんだけど いいかな?」
突然 初老の弁護士さんが口を開いた
「なんでしょうか」
「先日 ここを訪れた際に 必要書類などにアナタが記入した文字と契約書の文字が
まるで一致してないんだが ・・・ 私もこの商売長くやってるから色んなケースを
見てきたが 何か他の事情がありますね」
「お察しの通り 調停申し立て人と契約者の氏名は一緒ですが 別人です
妻と行動を共にしていた男性であろうと思われます 」
「そうなると 債務整理より「告訴」が先じゃないですか!」
若い男性職員が弁護士先生の方を見た
「アナタは事の結末まで考えた上で申し立てをした それに間違いありませんか?」
「おっしゃるとおり 「結末」を考えた上で判断し 申し立てを行いました」
「それであれば その件については不問いとし記録からも削除して下さい」
全ての書類を確認したところで 弁護士先生からの説明が始まった
「それでは まず イチバン気になっているであろう金額ですね 総額がいくらかを お伝えします」
正直 ドラマじゃないが
自分の心臓の音が聴こえた
「総額ですが 876万と端数が若干という事になりました」
普通一般の方なら 876万!って驚く場面なんですが
その時の私は ヤッターーー減ったーーー!でしたね
「これは 前回お話した通り「法定利息」で計算し直した金額ですので これ以上
増える事もありませんし 減る事もありません そしてこちらが「返済計画書」です」
手渡された書類には各社の金額が一覧となって並んでいた
最初の3年間は毎月25万の返済 4年目以降は金額が減り10万前後となっていた
「私の予想よりも金額が少なくなって 少しは安心したんじゃないですか?」
「そうですね 予想よりも5万ほど下がりましたが 「離婚」して給与も手当て等が
無くなるのでプラマイゼロですかね」
その後説明を受け これで終わりかと思いきや ・・・
次の「第二回調停」で各社の方が来て書類にサインをするまでは終わりでは無いと告げられ
支払いも長いけど 手続きも長いんだなと思いましたね
3週間後に「第二回調停」が開かれて 全て「結審」した後から
すなわち 来月の給与から もう支払いが始まるんです
それは同時に 「独り暮らし」のスタートでもありました
次回 第12章 「第二回調停」 です
それでは また m(_ _ )m