第9章 「返済の危機」
会社に出社して すぐに事務室へ行き 仲の良い事務員に
朝から「頼みごと」を!
「あのさ ・・・ 離婚の手続きをした後 給与から何がどれだけ減るか
出来るだけ詳しく知りたいんだけど それも 出来るだけ早い方がいいんだけど
頼めるかな?」
「うん わかった 今日中に調べておくから」
「ありがとう 助かるよ」
事務所の中で「味方」を宣言してくれたのは彼女だけなので
彼女だけが 本当に頼りでした
18:00過ぎ 彼女から内線電話で連絡が入り 会議室へ
食堂 ・ 休憩室では人が多いからと気をきかせてくれました
会議室に入ると 表情の重い彼女が座ってました
「調べてみたけど あんまりいい状況では ・・・ ないね」
まあ~予想はしてましたから やっぱりな
「詳しく教えて」
「まず 離婚するから当然ながら「扶養手当」が無くなります
それから ・・・ 今住んでる自宅の家賃が現在は「転勤社宅」の扱いなので
2割負担だけど 離婚すると ・・・ 会社が2割 アナタが8割の負担になる 」
「8割負担!」
「そう 会社の規定だから これはどうにもならない」
「8割って ・・・ およそ ・・・」
「5万弱かな お宅の家賃だと」
「さらに 扶養手当が抹消されるから ・・・ えーーーそれはマズイな」
「月々の支払いって やっぱり相当な金額なの?」
「うん ・・・ まだ確定はしてないけど30万前後かな」
「月30万! 住宅ローンでも聞いたことないよ」
「そうだよな ・・・ でもそれぐらいになるらしいよ」
「どうやって生活するの?」
「さあ~ 俺にも想像がつかない」
この時 正直思ったのが 「もしマイナスなら破産しかないよな」でしたね
自宅に帰って 娘が寝てから妻の実家に電話をして
事情を説明しました 妻のお母さんは何度も「すまない 本当に申し訳ない」
この言葉を繰り返してました そして最後に私が言ったのは
「子供をお願いします」 でした
この時 子供との別れを実感したのはいうまでもありません
この日はベッドに入ってからも ため息ばかりついていたのを憶えてます
次回 第10章 「留守中に妻が帰宅」 です
それでは また m(_ _ )m