すごく長くなりそうだけど、このテーマを海外にいるうちに書いておきたかった。
私は、ジブリの名作「魔女の宅急便」が小さいころから大好きだ。
原作ももちろん読んだし、とても好きだけれど、なんといっても映画だ。
この映画は、私が海外を目指した原点なのだ。
「生まれ育った土地を離れて、自分と向き合いながら、いろんなことを乗り越えながら成長する」
キキみたいになりたくて、こんな体験を一生に一度でいいからしてみたいと思って、小さいころからずーっと海外でくらすことを夢見てきた。
タイに来ることが決まったとき、親友が何かプレゼントをくれるって言ってくれたので、「魔女の宅急便」のDVDをお願いした。今まで何度もレンタルしてきたけど、なかなか買えなかったからね。ジブリのDVDって値段下がらないから(>_<)
そして、わたしが決めたのは「いちばん落ち込んだときだけ『魔女の宅急便』をみよう」ということ。
それだけ特別なのだ。私にとっては、普段使いはしたくない作品。
そして、それを見る日は割と早く訪れた。
たしかタイに来て一週間くらいのとき。まだ仕事も始まらなくてやることないし知り合いいないしで、相当病んでたとき、魔女の宅急便を見た。大泣きした。そして、すごく元気が出た。
それからも、「いちばん落ち込んだときだけ」の誓いは守ってるけど、月に1度は見なければいけない日が来てしまう。
おととい、また見た。また泣いた。ラストでぜったいに泣いてしまう。あまりに嬉しくて。おばさまがキキのために用意してくれたケーキを見るシーンで泣き始め、最後オソノさんが「えらいよ、キキ・・・」っていうシーンではもうボロボロ泣いている。
タイで、ほんとにキキみたいな孤独と挫折を味わいながらこの映画をみると、どれだけ一つ一つのシーンがよくできているかわかる。日本で見てた時は全然きづかなかったのに。
たとえば、キキが風邪ひいて仕事をやすむところ。オソノさんがミルクがゆをもってきてくれて、少し話をして、オソノさんが出ていくところ。カメラ?はキキの目線になっていて、一度「オソノさん」て呼び止めるんだけど「なんでもない」っていうんだよね。
海外生活のすべてがこのシーンに詰まってると思いました。
オソノさんはとっても優しくしてくれるし、本当は甘えられる存在になりうる人。きっと甘えさせてくれる人。
でも、それじゃいけないってどこかでわかってる。
お母さんとは違う。そういう存在になってもらっちゃいけないってわかってる。家族に見守られてた自分から卒業しなきゃいけないってわかってる。それと、オソノさんたちは家族じゃないんだっていう寂しい思い。
そういう落ち込みみたいな、心の重さと、強くならなきゃっていう思いににすごく共感するから、このシーンはすごい!と改めて思った。
病気の時って体が辛いからよけいそういう落ち込みも孤独もつよくなるしね。
あと、リアリティっていう面で大好きなのはこの映画の終わり方。
キキの生活を、100%満たしていないところ。
ジジは普通の猫に戻ったままだし、家族への手紙にも「つらいこともあるけれど」って書いてあるから、やっぱり大変なことが何かしらあるのは来た時と変わってないのだ。それに、ラスト(エンディングが流れてるところ)でのキキの表情は、出発したときみたいな笑顔とはちがう。もちろん、笑ってて幸せそうだけど、何か遠くをみるような、大人な表情に変わっているのだ。
これぞ、海外生活。
きっと何年いても、100%満たされることはない。だってここは母国じゃないから。生まれ育った場所じゃないのは、いつまでたったって変わらない。
でも、キキは自分が努力できるところはちゃんと努力してその土地になじんでる。
ジジのことや仕事で起こることなどは自分ではどうにもできない。
でも、友達をつくったり、町の人と仲良くなったり、ちゃんと前を見ながら仕事をしてる姿はちゃんとキキが努力をしている証である。
昔は、ジジがしゃべれなくなるシーンが苦手で、どうも怖くて、なんで最後戻してくれないんだろうと思ったけど。この設定はすごく的を得ている、というかやはりこれもリアリティを出している。
どんどん孤独になって、追い詰められていくキキの心情。ひとりになって、ひとりで乗り越えなきゃいけなくなって、初めてわかること。
今はこのちょっと切ないラストが大好き。
リリィそっくりの子猫たちと、1匹だけジジにそっくりな子猫。それを見守る(人間らしい感情じゃなくて実に猫っぽい)ジジ。それを見るキキ。
そうやって大人になっていく、強くなっていく。
この映画は本当にすばらしい。というかジブリは素晴らしい。もはや文化遺産レベルだ。
子供ができたら、すごく小さい頃から見せたい。ジブリは「間」に表現を持たせるから、ディズニーとか見せるより、きっと感受性が豊かになると思う。語らない場面が語る部分がとてもおおきい。それはトトロだって同じ。
きっとディズニーとかだと、大人になって見ても「なつかしいな」くらいだと思うけど、ジブリ作品は違う。
感じ取るものが全然ちがうし、感情移入する役が変わる。
このあいだアニメのチャンネルでタイ語版トトロやってたからすごく久しぶりに見たんだけど・・・。
もう、私の気持ちは「ばあちゃん」そのもの。
ラストでメイが帰ってきて、ばあちゃんと抱き合うシーンで超泣いてしまった。日曜の昼に。こんな泣けると思わなかった。「よかったあ~」って安心するばあちゃんが乗り移ったかのように涙が(笑)。
タイ語なのに、脳内で完璧に日本語のセリフが出てくるほどで、自分でも驚いた。
それだけ小さい頃から、何度も見てきたんだな。
「おもひでぽろぽろ」もこっちでも見ました。
実は小学生のころ、これがジブリの中でいちばん好きだった。ちょっとビターなかんじがなんとも好きだった。
特に私は、回想する映画に弱いので、これも初めて見た時から大好きになった。
だから録画して何百回もみた。やはりこれもセリフが完璧に入っていたので、タイ語でも楽しめました。
それにそれに、ジブリ映画の醍醐味といえば、美しい音楽だよね。
久石譲さんのすばらしすぎる音楽の世界。
そして「魔女の宅急便」は、ユーミンである。最高なの、本当に。この曲にしてくれてありがとう、といつも感謝したくなる。この映画をいっきに可愛らしくしている。どこかのヨーロッパの女の子の1日を切り取ったような歌詞。誰もが大好きというレベルでしょう。
とにかく、ジブリは日本の財産。こんなに上質なアニメーションを、当たり前のように小さい頃から見られた私たちは幸せだ。