当分、GTネタです・・・ | 桃原美奈オフィシャルブログ「Peach blog」by Ameba

当分、GTネタです・・・


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2009 SUPER GT 第5戦「SUGO GT 300km RACE」(7/25~26)
スポーツランドSUGO(1周3.704km)
観客動員:予選12,000名、決勝26,000名 合計38,000名
7月25日(日)、ターニングポイントとなるSUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝が行われ、予選6番手から1つ上がった5番グリッドからスタートしたDUNLOP SARD SC430は、途中降雨の混乱のレースでステディに走行。ドライのアンドレ、ウェットの平手とも並み居る強豪を凌駕する最高の走りを見せ、またドライからウェットに変わる絶妙のタイミングでの先を見越したインターミディエイトタイヤ選択などピット戦略も功を奏し、見事今回の目標であった表彰台を総合2位獲得という形で飾った。

GTでは2007年SUPER GT第8戦オートポリス大会での3位以来の表彰台。また、第2スティントで怒涛の進撃を見せた平手は、GT500クラスでうれしい初の表彰台獲得となった。ドライバーポイントでは15点(計17点)を獲得しランキング13位に、チームポイントでは18点(計29点)を加算しランキング12位となった。次の第6戦は8月22日(土)・23日(日)に鈴鹿サーキットで700kmの長距離レースとして開催される。過去優勝経験もある同レースでさらに上を狙っていく。



2009年シーズンも4戦を終え、第5戦SUGOはまさにターニングポイント。今季これまでDUNLOP SARD SC430は最高位が10位と苦戦が続いている。速さでは確実に他車と差を縮めており決勝レース序盤は遜色ない。だが予選での一発の速さと決勝でのスティント終盤のコンスタントさが足りていない戦況が続いている。第5戦の舞台であるスポーツランドSUGOは、杜の都・仙台近郊の山間部にありトリッキーでコース幅も狭く、また高低差70mもあるテクニカルなマウンテンコース。常に接近戦が展開されドライバーにとって息の抜けないコースではあるが、ここSUGOでは近年毎年6位以上を確保しており最高位は2位。局面を打開したいDUNLOP SARD SC430にとっては相性のよいコースでシリーズ後半に向けて良い流れを引き寄せたいところ。望まれるべき表彰台獲得という結果を目指して、チーム全員が一意専心で臨んでいる。

25日(土)午前中の公式練習走行の天候は、曇りがちな晴れ。気温29度/路面温度36度の中、1時間45分のセッションが9時45分から開始された。今回はアンドレがアタックドライバーを担当。まずはクルマとタイヤのフィーリングチェックで8周ほど走行。その時点で5番手タイムをマーク。少し路面とタッチする箇所があることから車高の調整を行って再びコースイン。中高速コーナーでアンダーならびにブレーキング時の安定性を向上させる調整を行った。その後、別のニュータイヤに履き替えてアンドレがコースイン。クルマのセットアップも順調に進み、この頃から路面のラバーグリップも上がていった。続いて、GT500マシンで初のSUGO走行となる平手がステアリングを握った。最初は慣熟であったが徐々にペースアップ。ユーズドながら好タイムをマーク。またロングランではタイムの落ち込みも無く、好ペースを維持する走りを見せた。午前中の公式練習走行はアウトのインを含めトータル50周を走行。アンドレのマークした1分19秒097の10番手タイムとなった。今回トップから下位まで非常にタイムが拮抗しており、激しい午後の公式予選が予想された。


25日(土)13時35分からの公式予選1回目開始時には夏山の明るい日差しも時折見られる晴れに。気温31度/路面温度49度の暑いコンディションとなった。最初に平手が107%の予選基準タイムクリアのために5周ほど走行し、難なくクリアした。続いて予選アタックを担当するアンドレと交代。平手からのインフォメーションを受けてコースインするアンドレ。混走のセッションで1分18秒552の3番手タイムと好調さをアピールした。

総合6番手タイムで今季初のスーパーラップ進出を果たす
14時10分からGT500クラス単独の10分間のセッションが開始され、早々にアンドレがコースイン。1分17秒台がターゲットではあるが今回は非常にタイムが拮抗しており、スーパーラップ進出が確信できるタイムはない緊迫したアタック合戦が展開された。昨日のサーキット入りから並々ならぬ闘志を見せていたアンドレと平手。お互いに刺激し合って、今回のアタックをアンドレに任すことを告げた時も二人とも一丸で予選上位を勝ち取るために活発な情報交換をこれまで以上に行っていた。その想いを持って気合いの入ったアタックを続けるアンドレは走る度にタイムを削っていく。5周目に1分17秒990をマークしスーパーラップ圏内を確保していたが、このままではボーダライン上。さらにアンドレは渾身のアタックを続けた。そして6周目、セクター1自己ベストのアンドレは大きく流れ出しそうなクルマを懸命にねじ伏せながら、鬼神の走りでピットの期待に応える1分17秒731の総合6番手タイムを叩き出し、見事チームに今季初のスーパーラップ進出をもたらした。




■スーパーラップ
今回、念願のスーパーラップ進出で願わくばジャンプアップを果たしたい気持ちは誰よりも強く持っているアンドレ。気温30度/路面温度43度と幾分暑さが和らいだ中で、ニュータイヤに十分に熱を入れウォームアップを行いながらアタックに備えるアンドレであった。ギリギリまで攻めたい気持ちの一方、大事に順位を維持してフィニッシュさせたい気持ちとが交錯する極限状態でのタイトロープとなるスーパーラップ。期待と緊張が入り交じる3周目のアタックラップをチームメンバーが見守った。1コーナー、2コーナーとスムーズに駆け抜けるアンドレ。それは無駄のない堅実な走りではあった。スムーズ過ぎる。予選1回目の様にアンドレが攻めきれていない。すぐさま、これはタイヤに熱が十分に入っていないのでは?という疑念がエンジニアの頭をよぎった。まったくミスのない走りではあったが、スーパーラップ進出をもぎ取った激しさが見えない。結果は、1分18秒053のタイムに。順位を上げることは叶わず、決勝レースは3列目6番グリッドから表彰台を目指すこととなった。


「スーパーラップでは思うようなグリップをアタックラップで得られなかった。でも3列目6番グリッドを獲得できたのは何より。クルマもタイヤもステップバイステップで良くなって来ており、今回は調子がよいのがとても嬉しいよ。明日は結果を残すべく表彰台を目指して頑張るよ」


■フリー走行
26日(日)決勝前のフリー走行開始時点の気温30度/路面温度40度に。真夏の暑さがジリジリと照りつける陽気となった。9時45分からスタートドライバーを務めるアンドレが昨日装着したドライタイヤで感触を確かめる走行。アンドレは好調さをタイムでまずは示した。5周目に1分19秒632のトップタイム。その後トラフィックに引っかかりながらも非常に良いペースでセクター2は全体のベストの走り。平手と交代する前の周には1分19秒178とタイムをさらに縮めた。続いて交代した平手も安定したペースで1分20秒台の非常に良い走りを見せた。フリー走行ではアンドレのマークした1分19秒178の4番手タイムとなった。

■決勝スタート
26日(日)午後のスタート時には午前中の快晴とは打って変わってどんよりとした雲が西の蔵王の山並みから迫ってきた。陽の光も雲に呑み込まれスタート直前に暗くなり気温30度/路面温度42度の中でスタートが切られた。事前に正確な気象情報がチームにもたらされており、雨の降り出しのタイミングと量をうまくつかみ、このレースウィークの調子の良さを活かし、必ずや目標を達成すべくチームは様々なレース戦略を立てていた。また、二人のドライバーともに高いモチベーションを保っており、5番グリッドからスタートするレース巧者のアンドレの序盤の戦いに期待をかけた。その期待に応えるアンドレはスタート直後の1コーナーで18号車を捉え3コーナーでオーバーテイク。オープニングラップを4位で戻ってきた。

序盤、2位争いの集団でステディに攻める
2位を争う集団は一塊となってお互いを牽制しながら周回を重ねる緊迫した序盤戦。2位集団の後方からピッタリとタイヤを温存しながらステディに攻めチャンスを窺うアンドレ。ピットからもタイヤをキープせよとの指示が飛んだ。26周を過ぎた時に雨粒がコーナー西側より落ち始めたとアンドレが無線で伝えてきた。徐々に雨足が強くなり始めるとピットインを始める車両が増えたが、まだドライタイヤの方が速いと判断したピットは、いけるところまでいく戦略をとった。6号車、3号車に次ぐ3位のポジションに浮上。雨の量は増え始めておりドライタイヤを使う残り周回は少ないと考え、ここが前を捉えるチャンスとキープからプッシュへと切り替え限界の走りでアンドレは攻めに攻めた。すでにウェットタイヤに履き替えた後続を見る見る引き離し、そしてかつてのチームメイトであるクインタレッリ駆る3号車を捉えたアンドレは背後から果敢に攻めたてた。そして、もうドライタイヤでは限界となった34周を終えピットイン。ここでトップの6号車も隣のピットに入っており、混雑するピットで斜めに停車せざるを得ない状態となった。