<第13回> 台湾での幼稚園探し | Dr. ミナシュランの台湾グルメと「ママ、ときどきドクター」

Dr. ミナシュランの台湾グルメと「ママ、ときどきドクター」

美味しいものが大好きで、本名の「みな」とグルメの「ミシュラン」をかけて、「ミナシュラン」と呼ばれています。台湾でぽかぽか子育てしつつ、ときどき日本に帰ってお医者さんする「ママ、ときどきドクター」な暮らしの子育てエッセイと美味しいもののブログです。

 3ヶ月の日本生活が終わり、娘と私は台湾に帰って来た。そして、すぐに娘の台湾での幼稚園探しが始まった。
 なぜなら、私のお腹に新しい命が宿っているからである! 娘と二人なら、もう少しゆっくり家で過ごすという選択肢もあっただろうが、妊娠後期の大きいお腹、やがて出産、そして坐月子(←もちろんやる気! 待ってろ月子餐!)、産後間もない赤ちゃんのお世話……と考えると、日中だけでも魔の二歳児の娘を幼稚園に預けて、育児の負担を減らしておきたかった。(お手伝いさんという選択肢もあった。実際、お手伝いさんに来てもらう(月25000元=10万円程度)のと幼稚園の学費(月20000元=8万円程度)は、さほど変わらないのである。だが、お手伝いさんはトラブルも多いと聞き、幼稚園という選択になった。)

 こうして、幼稚園探しが始まった。
 私の幼稚園選びの基準は、こうだ。
 ・愛情たっぷりであること。先生が、いい笑顔で笑っていること。
 ・そこそこ清潔で、ご飯が美味しそうであること。
 ・お勉強は必要ない。できるだけ自由に遊ばせる方針が良い。
 もっと理想を言えば、森の中で毎日虫を眺めたり、秘密基地を作ったりできるような幼稚園がいい……のだが、不動産バブルの台北では森どころか園庭だって難しいし、しかしそもそも暑すぎる台湾では、園庭があったとしても、灼熱の太陽光線と蚊パラダイスの中で長時間遊べるとは思えない。

 私は、まずはマザーグースで紹介されていた台北幼稚園情報交換会に参加した。すると、そこで知り合ったママ友さんと「幼稚園見学に行こう!」と、トントン拍子で話が進んだ。

 見学したのは、
 ・日本語班と中国語班がある幼稚園(クラスは完全に別)
 ・日本人と台湾人が半々位の幼稚園(日台混合クラス)
 ・ほぼ日本人のみで、日本語のみの保育園
 ・近所の台湾ローカル幼稚園
 である。

 見学してみると、どの幼稚園も、とても雰囲気が良かった。
 日系の幼稚園は「台湾で日本語教育」を実践している園だけあって、日本の行事や礼儀作法も意識して取り入れておられたし、何より、それを教える先生がいい人そうで、生徒も楽しそうに笑っていた。
 興味深かったのは、日本語班と中国語班でクラスが分かれている園だった。それぞれのクラスの一日のスケジュールを見せてもらったのだが、中国語班では算数や国語などのお勉強がびっしり詰まっているのに対して、日本語班のスケジュールは見事にスカスカなのである。

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中国語班

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同じ幼稚園の日本語班



台湾は早期教育熱が高いと聞いていたが、実際にスケジュールを並べると一目瞭然だった。そして、「早期教育をしない日本班」が、私の理想に近いと感じた。そう、ゆったりのびのび遊んで欲しいのだ!
 どの園にも園庭はなかったが、これらのどの園に入る事になっても、娘は楽しくやっていけるだろう、と思えた。


 そして最後に、一応、近所の台湾ローカル幼稚園も見学してみた。
 この幼稚園は我が家から徒歩1分で、同じマンションに住んでいる甥や姪も通っている幼稚園だ。さあ、一歩足を踏み入れてみると……、これまで見学してきた園と雰囲気がまるで違う。
 この園はモンテッソーリ教育といって、一人一人が作業をしながら個性を伸ばす方針なのだが、広い教室に机と木製の教具が整然と並んでいて、子供がその机に座って黙々と作業している。

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よく見てみると、4歳ぐらいにしか見えない子が、4桁の足し算引き算をしているではないか!


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 「ああ、これが早期教育というやつか!」
 私はその光景に驚いて、そして同時に、「これは私が娘に受けさせたい教育ではないな」と思った。
 だが……、一緒に見学に連れて来ていた娘、紐通しの教具を手にすると、一生懸命な表情で、その作業を始め、そして、やり遂げたのだ。

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 「ああ、そういえば娘は、こんな細かい作業が好きな子だった」と、私は思い出した。デパートの玩具売り場で、延々と一時間もペグ遊びをしたのは、この娘だ。
 ひょっとしたら、娘には、この幼稚園もいいのかもしれない……。

 私の理想としていた幼稚園とは違うけれど、それでも娘には良い幼稚園に思えた。
 それに、決定的だったのは、案内してくださった先生の笑顔だった。とっても土臭いその笑顔……実は、田舎に住んでいたときの肝っ玉おばちゃん看護婦さんそっくりで、ノーメイクだけれど本当に素敵な笑顔だと思えた。

 「ここでいいね
 私と、一緒に見学していた主人は、その場で一瞬のアイコンタクトを交わし、娘の入園を決めた。
 「いつから参加できるのでしょうか?」
 そう聞くと、
 「明日からいらっしゃい!」
 と言われ(なんとも台湾らしいノリだ!)、まだまだ他の園も見学するつもりでいたのだが、
 「じゃあ明日から来ます!」
 と、娘は、家の隣のローカル幼稚園に通うことになってしまった。
 ……日本に3ヶ月いて帰って来たばかりの娘の発する言葉は99%日本語だというのに

(続く)
 
↓モンテッソーリ幼稚園の教具
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