本日は、結構珍しい経歴をたどった80年代アイドル歌手をご紹介します。
その歌手は、1985年にデビューした、佐藤弘枝さん。この方のストーリーが、本当に変化に富んでいるんです。
(上の写真・カバー写真: 佐藤弘枝さんのレコードジャケット。投稿者所持分。)
一体どんな軌跡をたどったのでしょうか?見ていきましょう!
佐藤弘枝さん
まずは、デビュー作から。
セピア色の夏
作詞: 篠原仁志さん
作曲: 緑一二三さん
編曲: 川口真さん
綺麗で伸びやかな声が素敵ですよね!ですが、あくまで主観ですが、歌うという行為をするだけで精一杯という感じもしました。まだまだ伸び代があるのでは…まだまだこれからでは…と思えます。まるでダイアモンドの原石のよう。
しかし、佐藤弘枝さんは、デビュー作を出した直後、突然引退します。本当に、惜しい…
しかし!それでは終わりませんでした。
中原薫さん
91年に再デビューを果たすのです。名義を「葉月コーラ」として、コカコーラのCMソングを担当。間寛平さんともデュエットします。実に6年ぶりに復活。80年代アイドル歌手は沢山いますが、シングルを1枚だけリリースして引退して、かなりのブランクを経た後に、こうして歌手活動を再開される方は、結構レアな気がします。チャンスをつかめて、本当に良かったですね。
そして、葉月コーラさんは、その後、中原薫さんとして、93年に再々デビューを果たします。
では、どんな復活劇を遂げたのか?中原薫さんご本人が歌唱・作詞した作品を2作ご紹介しましょう。
まずは93年の中原薫さんとしてのデビューシングル「街中の素敵 みんな着飾って」のB面。
毎日がI Miss You
作詞: 中原薫さん
作曲: 中原薫さん
編曲: 池田大介さん
控えめに言って感動。85年と比較しても、声の伸びやかさ、音程の正確さ、透明感… 全てが進化していると私は感じました。特にこの歌の最後の方の「I Miss You」の切ない歌声が、個人的にはぐっときます。
実は、本当に失礼な話ですが、この歌を聴いて、本当に佐藤弘枝さんと同一人物なのか、私自身最初は疑問に思ってしまっていました。もちろん、CDのジャケット写真など、どう調べても同一人物だったんですけどね。ですが、そう思ってしまうまでにかなりの成長をされた、ということだったと思うんです。
そして、この作品は、作詞、そして、作曲も中原薫さん!曲の盛り上げ方も素敵ですし、何より曲の流れが美しい。じっくりと味わえる曲になっていると感じます。
96年には、待望のアルバム「Dolce」("ドルチェ"と読みます)が発売されます。そのうちの1曲。
少しだけ泣いていたい
作詞: 中原薫さん
作曲: 竹村かおりさん
編曲: 池田大介さん
とても前向きな歌詞が印象に残ります。ただ「泣いていたい」で終わらせるのではなく、これからのことに気持ちを向けようとしている前向きさが、私には素敵に思います。
♪今日よりも素敵な明日へ 生まれ変わるから♪
と口ずさんでみると、何だか心が前向きに、そして明るくなりそうです。
また、歌唱力も上がっていると思います。大袈裟になることもなく、単調になることもなく、それでも歌詞に描かれた情景を、しっかりとした歌声で表現できていると感じますね。
皆さん、ここまでお聴きになっていかがでしたか?一旦歌謡界から姿を消してしまったにもかかわらず、こんな形で復活して、かなりの進化を遂げて、しかも作詞や作曲を手掛けるまでになるとは… 私自身、このストーリーを知った時は本当に驚きました。中原薫さんの成長には、本当に恐れ入ります。
特に歌唱。歌うので精一杯という印象だった85年の頃からのこの成長には、本当に目を見張るものがあると感じます。
だからこそ、
人生、何が起こるか分からない。
そして、
人の可能性は無限大。
ということを、中原薫さんから教えていただきました。
ちなみに、96年にアルバムを発売して以降、中原薫さんがどのような道をたどったのか、私はまだ分かっていないんです。幸せに過ごされていたら嬉しいですよね。
お読みいただきありがとうございました!
それでは!