この歌詞はいいなと、皆さんが感じる歌はありますか?!私もそのような歌はいくつもありまして、これまでもこのブログで発信しましたし、これからも発信したいです。


そして今回、そんな中から取り上げるのは、こちらの歌です!


斉藤由貴さん「アクリル色の微笑」

★1986年発売アルバム「チャイム」収録

作詞斉藤由貴さん

作曲崎谷健次郎さん

編曲崎谷健次郎さん・武部聡志さん


(カバー写真・上の写真: 投稿者所持の斉藤由貴さんのアルバム「チャイム」より)

離れていく大切な「君」のことを想った歌です。その瞬間が幻想的で、とても美しいと思える作品になっています。特に斉藤由貴さんの歌詞にハッとさせられます。


下記の音源をご紹介したあと、レビューと、そして由貴さんがなぜこのような詞を書けたのか(推測)についても、書いていきます!


潔さ


まず、この歌で感じるのは、別れの時の「潔さ」です。


特にサビの歌詞にそれが表れていると感じます。


ああ アクリル色の
微笑み とても素敵さ
決してしばりたくないよ・・・君が好きさ


「君」を縛りたくない。自由でいてほしいそんな切なる願いが詰まったような歌詞だと思います。


それも、このフレーズの最後にあるように「君が好き」だからこそ言えるものではないか、と感じています。


この歌詞を読むと、本当に潔くて斉藤由貴さんの歌詞のセンスがすごいなと思います。


と書きましたが、そもそも人は別れの時に、そんなに潔くなれるものなのでしょうか。多くの場合はそうではない気がします。だからこそ別れの時には、アクリル色の微笑が歌う「君をしばりたくない」という潔さを生かすことができたらと、私は思います。



なぜ、このような詞が書けるのか?


ところで、この歌の斉藤由貴さんの歌詞。情景描写が本当にお上手だと思いませんか?


例えば


白い自転車から"さよなら"告げたら
夏の空へ 舞いあがる
夢の翼つけて


「君」の旅立つ情景を、翼になぞらえて、とても美しく表現していると感じます。こうした喩えを用いた表現が由貴さんは非常にお上手だと、他の作品を聴いても思います。



なぜこのような歌詞が書けるのか?あくまで推測ですが、由貴さんの人生経験によるものだと、私は考えます。



①いじめ


由貴さんは、小学生の頃、いじめに遭っていました。それが引き金となり、学生時代の頃も精神的に不安定な状態になっていたそうです(80年代アイドル総選挙 ザ・ベスト100」より)。自分の力では思い通りにならないことがあると感じたこともあったのかもしれません。そして、その中で何が大切かとなった時に、先に書いた「潔さ」というスタンスを知ったのではないか?と私は推測します。


いじめの経験が、歌詞に生きたのかもしれません。



②松本隆さんとの出会い


斉藤由貴さんの初期のシングルを作詞したのが、松本隆さんです。松本隆さんは、情景描写が本当にお上手です。そして特に80年代、とてつもなくたくさんのヒット作品を、数多くの歌手に提供してきました。その松本隆さんの影響を受けて、先に書いた由貴さんの情景描写のセンスにつながったのかもしれません。



この2つの経験をした由貴さんですが、経験しただけでいい詞が書けるとは思いません。由貴さんが努力をしたからだと私は考えます。


YouTubeで発見したのですが、1986年当時の歌番組の中では、由貴さんについて「(作詞のために)いつも気になったことをメモしている」と紹介されていました。



由貴さんには、経験を生かす力があったのです。



お読みいただきありがとうございました!


それでは!