9月といえば「ガンです」と言われたり、旦那に出合ったり、結婚式をした月だったり…
そして、今思い出しても涙がちょちょ切れる、「りっちゃん」とのお別れの月。
小学生の頃、ヨークシャーテリヤがやって来た。
母の友達が飼えなくなり、貰ったらしい。
生まれて1年くらい、名前は「リリ~
」、血統書付き。
ウチは動物を飼うと言う事=拾ってきたから
で、捨てカメと捨て犬しか飼った事がなかった。
カメは「カメ男」。犬は「ゴン太」。
「リリ~
」
は、そんな我が家であっという間に、
「りっちゃん(
)」
になり下がってしまった。
父なぞは、「り助」と呼ぶ。
とても元の飼い主に言えない…
りっちゃんが来てから、家族は明るくなった。
祖母一人残し田舎へ家族で行った時のこと、、
2階に上がるも、降りられない子犬、2階へ行き私たちを探し、「やっぱいない、下ろしてくれ!」
と、泣く事数十回、祖母は上がれないよう布を貼り付けた。
帰宅したときの喜びようと言ったら…
犬も気が狂うのかと思ったくらいだ。
家族の最年少の、人間の子供のようだった。
猫みたいに、寝転ぶ人間の背中で寝たりするし、犬っぽくなかったが、唯一父が帰宅時は腹を見せて転がるなど、やはり犬だったようだ。
ウチの庶民的な生活に影響され、血統書つきのヨークシャーなのに秋田犬みたいなデカ犬にしか惚れない。
身体的に無理だったのか生涯独身を貫き、子供を産まなかったせいなのか子宮がんになったが乗り越え、13年生きた。
最後はよぼよぼになっていた。
後半缶詰のドッグフードを好んだが、もうダメなんじゃないかという、ある9月の夜、母が、子犬の頃与えてた手作りの茹でた鶏肉とキャベツをあげたら、モリモリ食べた。
うんこをさせに庭に下ろすと(もう散歩は出来なかった)元気にうんこをした。
喜びもつかぬ間、母の膝でぐったりとした。
「りっちゃん!!しっかりしなさい!!!」
母と私で叫んだ。
数分おきに目を開け、玄関を見つめる。
目を閉じる、、又、、玄関を見つめる……
父が帰って来る10数分前に、母の膝の上で息を引き取った。
主人を待っていたのだろうか。
やっぱり家族と同じ人間じゃなく、猫じゃなく、犬だった。
「り助・・・」
父が泣いたのを初めて見ました。

