お昼は、食べないか、レトルトの梅茶漬しか食べられなくなり、食後は胃腸薬を必ず飲んだ。
動悸もするようになっていた。
人工肛門の袋を装着するとき、穴のサイズがうまくいかないと、腸液が皮膚に付き、この世のものとは思えない痛みになる。
(後半解決。穴の隙間に粘土みたいのを埋めて)
皮膚の痛みと知る前は、腸の痛みだと思っていたので、ある日の仕事中、イランに電話した。
看護師さんが、30分後に来て、と言った。
店長に謝り病院に。
……
イランを見た途端、なんか痛みは半減。
「食欲はありますか?」
「全然ないです」
「それは、人工肛門が気になって?」
「いや、あの、人間関係が…」
「・・・ストーマのせいで?」
「いえ、あの、前のように付き合えないっていうか、私が変わっちゃったっていうか……」
「………」
イランは眉間にしわを寄せながら、一応カルテに、
「人間関係」
と書いた。
(いま思うと、時間外なのに、そしてそんな訴え…スミマセン、外科のイラン先生…)
イランは、ストーマ越しにピンセットで小腸をキツクつまんで言った。
「小腸には神経が通ってないんです」
痛がってるのは、周りの皮膚との事。
完全に痛みが消える為には付け替えないといけないが、病院に来ただけでほっとし、残りの仕事を続けられそうにまで、回復し、そのまま仕事に戻った。
「いつでも又電話して。午後でもいいよ」
イランが笑顔で言ってくれた。
人にあんな笑顔を向けられたのは、久しぶりなように感じた。
店長も、悩んでいるように見えた。
弱気な私に言った。
「前は、新人にもビシビシやってたじゃないですか…前のミラさんに、戻ってください!」
「……(なんで私がやらされてたんだろ)」
「精神の病院に行ってみたら…?」
「……(又人を病気にする気?)」
店長は、あまり自分を主張しない人だった。
Jが態度がでかくたって、注意なんてしない。
人類皆兄弟タイプだ。
「注意すればいいじゃないですか(Jに)」
「…なんで私が…?店長の仕事じゃないですか(店長が一緒になって遊んでんのに)」
店長はむっとした。
私は店長が大嫌いになっている自分に気づいた。
Jじゃ、ない、ようだ。
お見舞いに2回も来てくれた、店長。
私は心を鬼にした。
原因がわかって(と思ってた)、少し楽になったから。
私が異動なり、辞めるしか道は無かった。
あんなんでも、店長は店長。
ある昼休み、どうにもこうにも我慢ならず、動悸は止まらず、今すぐ、
「辞めます」
と、言う事に決めた。
そして私は、やってはいけない事をやった。
コンビニに行って、オレンジサワーを買った。
休憩室で、飲んだ。
少し楽になって来た。
「もう少し、言うのは後にしよう」
と、何故か思った。
(思ってくれてホントに良かった)
長文、読んで頂いて
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