注*少しお下品です。






毎年末が近づくと、年始の準備で忙しくなっていた。


アパレル業界の、大カキイレドキ。

福袋と、セール。


今は不景気なので、年末からセールを始めるところも多いですね。



私の元会社では、福袋をやることほど、採算の取れないことはなかった。

1コーディネイト集めるのに、一万円や二万円じゃ、元が取れないのだ。


なんで、百貨店というバックに推し進められないと、会社はやろうとしなかった。


その頃の私は、ファッションビル担当の店長で、なんの後ろ盾なし。

でも、売り上げを取るには、福袋、やりたい!!



厳粛な、店長会議の席で、私ははりきって手を上げた。

その後の私を待っていたのは、沈黙と静寂だった。



「福袋」


と言おうとして、


「玉袋」


と、言ってしまったのだ。


「正月=お年玉=福袋」

が、私の脳みそを混乱させ、邪魔をした。


一人くらい笑ってくれたら救われたのに、そんな人間は一人もいなかった。



この仕事は、しゃべるのが仕事で、今はそうでもないかもしれないが、保険のオバちゃんみたいな販売員も少なくなかった。

しゃべりに自信があるせいか、あまり考えずに言葉を発すると、このような悲劇をもたらす。

言葉のいい間違えも多かった。

(でもそれ、言い訳ですね…)



思い出せないくらい、他にもいっぱいある。



私の、和田アキコ似の友人、アキ子は、同じく厳粛な店長会議の場で、自店の目標を熱く語る際、


「セールストーク」


と言おうとして、


「セックストーク」


と、絶叫してしまったらしい。

一人だけ、笑った人がいたらしいので、私よりましだ。


高齢独身の先輩Nは、後輩の送別会で言葉を求められ、


「人の心のバイオリズム・・」


と言おうとして、


「人の心のバイブレーター・・」


と言った。






私の不幸は、それから10年以上経っても、


「福袋」


と言おうとすると、




「た、福袋」


と言ってしまうことだ。


間違えちゃ、いけない、と思えば思うほど、



「た、福袋」


になる。




年末になると、必ず思い出す……








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