ほぼひきこもりでも、人に傷つけられる機会はあるものだ。
妹の家に二泊した。
妹の小4の娘は、客人とフロに入りたがる。
一晩目はうちの母と入りたいそうだ。
「ばあばと入れば、お湯が上がるからあったかいよ~」
アタクチは、ケケッと笑った。
妹のうちは倹約家で、風呂の湯が少ない。
うちの父母は、
「入るたびに風邪引きそうになる」
と、いつも陰で言っている。
ばあばは一瞬ムッとしたが、二人は仲良く風呂場に消えた。
次の晩。
アタクチと入ることになった。
髪体を洗い先に入ってくつろぐアタクチを見て
ヤツは普通に言った。
「ばあばと同じぐらい、上がってる・・(湯量が)」
ばあば(150センチ・65キロ)と同じくらい……上がってる…
アタクチは心の中でその言葉を反復した。
姪っ子の表情は真剣そのものだった。
アタクチはただただ、無言のまま笑顔を返す。
子供って・・・
真実が見えるのだ。
心の中は、今度は敗北感でいっぱいだった。
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