大阪公演も終わってしまいました・・・。あっという間だったなぁ。
もっともっとヴェローナに通いたかったですが、一方で「存分に楽しんでやったぜ!」という満足感もあります。とは言いつつ、まだまだ浸っていたいので、次はモンタギューのキャストイメージなど、整理していこうかと思います。
もちろんさすがに全組み合わせは観られなかったんですが、やっぱり一人違うだけでイメージの違う三人が出来上がってたなぁ…。

 

1.大野ロミオ矢崎ベンヴォーリオ平間マーキューシオ
1/21昼公演観劇。
全体での初見だったんですが、まず衝撃だったのが、矢崎ベンヴォーリオ可愛すぎ問題。(詳しくは省略) 大野ロミオと矢崎ベンヴォーリオが基本的に健康的でちょっとおばか(褒めてる)な若者だったので、まさかのマーキューシオに知性を感じるという異常事態。ちょっと賢くて、ちょっと大人で、一方で狂気をはらんでるマーキューシオの存在が、ひときわ印象的だった取り合せでした。 そして、大野ロミオと矢崎ベンヴォーリオの組み合わせは、ロミオのヒロイン感がやばい。ベンヴォーリオの愛が重すぎる。笑 この頃はまだまだ生田ジュリエットが「私は私!」だったのもあり、二幕はもはや誰がヒロインで誰が相手役かわからなかった…。笑

 

2.古川ロミオ馬場ベンヴォーリオ小野マーキューシオ
1/21夜公演観劇。
そんな1.のイレギュラー(個人的に)な取り合せを観た後だったからか、ものすごくオーソドックスなモンタギュー感がありました。笑 兄ちゃんベンヴォーリオに、やんちゃ弟マキュ、そして繊細なロミオ。そんな3兄弟感溢れるモンタギュー。 こっちはこっちで、逆にマーキューシオが少し抜きんでて幼いイメージでしたね。 ベンヴォーリオは、兄感と、二幕はほんの少しの母感。闇に飲まれそうなロミオを引き留めようと必死で、ロミオもそんなベンヴォーリオを頼り、すがるようなイメージでした。

 

3.大野ロミオ矢崎ベンヴォーリオ小野マーキューシオ
2/22夜・3/4夜公演観劇。
おそらく公式チーム②ってとこですよね。大野ロミオにはこの取り合せが一番バランスよかったかなと思います。 三人の関係は対等なんですが、ただ、大野ロミオの「光」が強すぎて、ベンヴォーリオ・マーキューシオの影を作ってしまった感もありました。 「光」に吸い寄せられるように、ベンもマキュもロミオのことが好きなんですが、一方でロミオは、自分と近い「光」の方に遠ざかってしまう。(はるジュリだと特に。) 本人無自覚ですけどね、ロミオにとってはあくまでベンもマキュも愛する親友なんですが、ベンとマキュの片思い感はぬぐえなくて、なんだかすごく切なくなった取り合せでもありました。(たぶんこんな悲観的に観る組み合わせではない、とはわかりつつも。) だけどベンヴォーリオは、どこまでも「光」を守ろうとする。その眩しさが失われてしまわないように。「どうやって伝えよう」では、このベンヴォーリオは「光」を守るために、「闇」を見せないように、飲み込んできた人なのかな、とも感じました。 ロミオもそんなベンヴォーリオを頼りにはしている。 もしかすると天秤は均衡ではないかもしれませんが、なんだかんだ大野ロミオと矢崎ベンヴォーリオは相思相愛コンビだな、と思います。

 

4.古川ロミオ矢崎ベンヴォーリオ小野マーキューシオ
2/24昼・2/25夜公演観劇。
はい、ここへきて矢崎ベンヴォーリオ、片思い脱却!(笑) 古川ロミオとは、対等に意思疎通もできてる「ちゃんと友人」って感じでした。 ただ、この取り合せになると、3.とはまた違う意味でロミオが異質なんですよね…闇が重すぎるという意味で(苦笑) 2日連続で観た取り合せだったんですが、もう2日目とか終わった後に「あぁ…今日もベンヴォーリオはロミオが闇に引きずり込まれるのを止められなかった…」という無力感になぜか私が苛まれていました。笑 ベンもマキュも、ロミオの良い友人ではあるのですが、一方でロミオを本当の意味では理解できないんじゃないか、という気もしました。ロミオの孤独が際立ちます。(美しいので問題はない)

 

5.古川ロミオ馬場ベンヴォーリオ平間マーキューシオ
3/4昼・3/5昼公演観劇。
こちらはたぶん、公式チーム①。古川ロミオにとっても、この取り合せが一番バランスよかったなと思いました。スタイルのバランスがいいので、「世界の王」が美しかった!!! 三人の関係は対等で、そしてこの三人が揃うと、少し大人のモンタギューになります。それに呼応して、渡辺ティボルトが唯一バランスとれるのもこの組み合わせかな、と。笑 三人ともまだまだ青春を謳歌してやるぜ!と歌いながら、どこかでもうそれが終わっている・あるいは終わりが近いことをわかっている、ような。 このチームは「街に噂が」で怒っている理由が「ロミオがジュリエットと結婚したこと」じゃなくて、「それを黙っていたこと」であり「ロミオの今後を心底心配して」が動機なんだろうなぁ、と。 他の取り合せもそうだったのかもしれませんが、私がそう感じたのはここが唯一でした。怒っているというより、叱って諭しているような。マキュは相変わらず狂気をはらんでいるのですが、結局その最後のスイッチを押したのも「ロミオが黙っていたこと」なのかな、と。 もとより二人とも、ロミオの闇など十分に理解していたのではないかと思いました。なので、マキュの「ジュリエットを愛しぬけ」もすごくストンと落ちたのです。 闇を抱えたロミオを、ベンとマキュがわからないように照らしているような、そんな取り合せでした。


こんなところでしょうかね。
個別のキャストへの感想は省いて、あくまで関係性だけにフォーカスして、各パターンの印象を記してみました。
本当に一人変わるだけで全然違うものになりますねぇ…。Wキャストってシステムすごい…。